凍てる指よ
  松井の骨折のように外野は
  草が深い
  ぼくの夕陽から伸びる野の球。
  眼球のようにやわらかいものが骨折している
  ぼくのさみしい眼球譚が
  そうして麦笛に ....
いま精神科に一年一ヶ月入院しています。退院も程近くなっています。
復活を楽しみにしてください。
ぼくの作品に好意を持ってくださった方へ。
  手のひらの中に
  そっと星を隠していたら
  夜になって光りだし
  銀河系宇宙であることが
  ばれてしまった

  それは蝶のように
  よぞらをかざって ....
 
  日はまた昇る
  を書いたのは
  へミングウエイだが
  確実にこれから
  35億年
  日は昇るのだろうか
  地球の命は90億ぐらいだが
  いま私たちはその ....
   白馬が一頭
   光ファイバーのように
   闇の
   中央高速を
   競馬場に向かって
   走っていった
   その記事は新聞に載らなかった
   テレ ....
 

   東京都の人間が
   都会へ行って迷子になる
   子供の話だ
   東京の地下鉄は複雑で
   路線図を確めるのが大変である
   パリやロンドン
   イタリアぐらいだ ....
   
  糸であやつられたカイト
  空をへんぽんと翻る
  だが糸がなければ
  凋落する
  自由ではない
  手に結ばれることによって
  初めて自由になれるのだ
   ....
 

  {ルビ斑=まだら}になって雪が残っている
  シマウマでもないのに


  ゼブラ

  遠い爆弾   血の声



           2005・03・07
  

   曖昧な物に名前をつけてゆく
   切り取ってゆく
   詩を書くことは名前を奪うことだ
   いままでなかった感情や
   世界にツバをつけることだ
   新雪を汚すことだ ....
 

   鐘が鳴る
   各関節が反応する
   生きるのだ
   木の芽
   下草は
   萌える準備を始めている
   坂は長い
   峠だ
   いつも峠の天辺にいる
 ....
    夜のキウイ
    地下バーのジョンレノンの
    ポスター汚れ

    やっちまった
    しょんべんのズボンの地図よ
    モスクワの壁

    電球がひとつもな ....
    外れてしまった隕石少年のように夕日のなかで古書を燃やせり

    赤花を抱く少女の胸はずむ満ち潮になったら産卵しよう

    生み落ちる星の数々ベガまでも藍色に黄ゴーシュよ ....
  

   玄関の脇にミモザの花が
   黄色い花をつけている
   郵便箱からは朝刊が雨に濡れて
   カバーは掛けられているが
   はみだされていた
   新聞は読まない
   ....
  
   



 ゆったりと牛一頭の牧の原夕日につつまれ真っ赤になりぬ

 背の高き風車なりけり水仙の夕日が低く輝いている

 海の上ほら糸電話輝いて君までとど ....
    てのひらの上の海峡舞ってゆく蝶よ朝鮮半島もっとも暗し

    死ににゆく赤い海峡渦巻いて『未来』という地図霧に裂かれよ

    消防車街走りゆくはるかなる ....
 


  未来が明るいということは
  初老のぼくにとっては
  死を意味することだ
  死ぬことは怖い
  でもだれでも
  死ぬこと
  くらい
  知
  っている
  ....
  父と子は走った
  父はバイクで
  そうしてぼくはランナーとして
  伴走してくれる父の後についていった
  中学校のマラソン大会で
  ぼくはびりの方だった
  帰ってくるランナー ....
 


    眼帯をしている目医者彼岸花しおれるところを花鋏で切る

   いつまでも鳴らぬ時計よ深夜ふと台所で君に話しかけたかった

   オレンジをできれば本屋の中央に置けばいつ ....
 
   春はやってこない
   夜行列車だ
   海へ
   一点の海へ
   いくつものトンネルを潜る
   トンネルの向こうは雪だ
   房総半島ではもう菜の花が咲いてるだろうか
 ....
  新鮮な空気を吸う
  一日中部屋に籠もって
  セックス・ピストルズのビデオを見たり    
  携帯電話を操作したり
  パソコンに向かったり 
  カーテンを閉め切った部屋の中 ....
  若い者は威勢がいい
  つっぱてるところが魅力だ
  詩なんか糞でもない
  詩に威厳などない
  詩人に特権などない
  バンドやってるように
  アカペラでやってるだけだあ
   ....
  ぼくが短い眠りを眠っていたとき
  外は雪がふっていたんだ
  雪のふる夜はことさらにしずかだ
  いちど春に旭川を訪れたことがあるが
  その雪のふり方はもうれつだった
  雪 ....
  桃の節句だ
  いい名じゃないか
  家には仔犬のももちゃんと
  4歳児のリーちゃんがいる
  まだフェミニズムとか騒がない
  同じ人間だが
  やはり性差はあると思う
 ....
  美しい人
  (鏡像としての醜い人)
  ぼくにとって美しい人とは
  才気煥発であるということ
  (どうしてこう安易にいえるの)
  頭脳明晰であること
  (頭がいいってどういう ....
  

   朝はいつ空けるか
   モダンアートのような
   朝焼けが見たい
   心の中が掻き立てられるから
   燃えてくる海
   でっかい太陽がイビツになってる
   いっ ....
  

    一滴の血
    一滴の汗
    一滴の涙からできている人間がいる

    全細胞にくまなくゆきわたっている
    人間が美しいのはそのためだ

    人間誰 ....
  

   集中する
   全精神を動員する

   無

   生まれてくるものは

   かわいいことばたち
   母親のように

   無

   陶酔する
   ....
   仏壇に父の写真が飾ってある
   テナーサックスを持ったブロマイドだ
   父の33回忌は終わった
   母が庭に咲いているミモザの花を切ってきて
   飾ってある
   そとはも ....
  手が震える
  キーボードを打つのにも不便している
  手が震えない薬ももらっているのだが
  なかなかやまない 鉛筆やボールペンで
  字を書くときなどは苦痛である
  意識す ....
  立ち眩みがする
  ぼくは街の中でしゃがんでしまった
  しばらくそっとしておく
  歩けない
  アヒルのようにも
  吐き気はない
  街が回りだしたのだ
  さけびたかった ....
天野茂典(412)
タイトル カテゴリ Point 日付
光臨自由詩1106/5/15 17:07
不眠症と戦いながら自由詩11*06/4/3 17:04
ぼくの手はふつうなのだが自由詩1805/3/9 18:01
日はまた昇る未詩・独白305/3/9 16:13
白馬未詩・独白205/3/9 11:54
まさか迷子になるまいが未詩・独白205/3/8 18:57
大空のカイト未詩・独白105/3/8 6:14
アフリカでは未詩・独白105/3/7 17:52
新雪を汚すことだ自由詩405/3/7 4:33
淋しい東京未詩・独白605/3/6 17:51
モスクワの壁未詩・独白105/3/6 11:09
海とマンドリン短歌105/3/6 10:36
ヤドカリ未詩・独白005/3/6 9:45
KANSAS SUNSETS短歌005/3/5 18:40
ねじ式短歌105/3/5 18:20
どっきんどっきん未詩・独白105/3/5 17:12
そうしてぼくはランナーとして未詩・独白105/3/5 4:56
ハーモニカ短歌205/3/4 19:28
春よ未詩・独白205/3/4 18:00
だがドボルザークが鳴ったじゃないか自由詩205/3/4 16:14
0からの出発だ!未詩・独白205/3/4 7:26
まだ部屋のカーテンは空けていないが自由詩105/3/4 5:41
この詩を読んでくれる人に未詩・独白605/3/3 18:07
美しい人未詩・独白005/3/3 17:29
太陽はひとつの窓なのだ未詩・独白305/3/3 7:04
一滴の血自由詩405/3/2 18:07
かわいいことばたち自由詩105/3/2 17:36
キーボードがみえにくい自由詩405/3/2 17:19
局地からの模索を未詩・独白005/3/2 16:05
街が回りだしたのだ未詩・独白205/3/2 15:23

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