あなたのひとつめの死を現像するための暗室でいくつもの春を指折
り数えていた(宛先のしれない指示語が濫用されてしまう街の隅に
ちいさくうずくまったまま声を発さない亡霊たち(汲みあげる手つ
きで垂れ ....
王国はいつまでもそこにありますように
ありつづけますように

(そこ、
という代名詞の罪ぶかさについて考えていた)
尾を振りながら過ぎ去っていくいくつかの流体
真白の雪原がどこまでも広が ....
詩情は朽ち木のように
川を裁断し
それを橋と呼んで
水を渡る
わたしたちの足は
いつまでも渇いたまま


濡れた手のひらのうえ
小さな風車が幾つも咲いて
わたしたちの語彙は
かな ....
トレモロ、
ふかい積雪のなかに、
なめらかな素足が埋もれている。
雪に焼けていく皮膚が
雪を焼くという反応。
果たされなかった握手と、
連絡の途絶えたわたしたちの氷河期。


pen ....
黙秘権、

外側に
行ってしまうのですか、







孤独死を待つ白兎の、
瞳は紅い。

いつも
公用語は行方不明だから
えぐらない手つきで
水をかけあって、 ....
i
水を撒く、
あなたの地球儀を
絞殺したのは
わたしではなく
わたくし、
であって
緻密に、
ただ緻密に、
あなたは欺かれ
白紙になった
太平洋で
立ち止まった海水は
沈没 ....
わたしの背に
連綿とつづく原野
そこに暮らしていた
一匹の仔兎が
今夜
死にました

という
あざやかな寓話を
包帯にくるんで
玄関の扉に
吊るしておきます
けれども街には
 ....
 
 
日記帳、
欄外の余白を縮絨し
つくられた子羊に
錆びた針を飲ませる
わすれられた浜に
とり残された
もろい足跡のように
母の筆跡は、
幾度目かの春で途切れていた


 ....
雛鳥むく(8)
タイトル カテゴリ Point 日付
glossolalia自由詩1111/12/10 2:47
monologue自由詩1011/12/3 4:22
けつえき自由詩811/10/5 23:50
frigid vessel自由詩8*11/5/23 2:44
Phantasmagoria自由詩8+*11/5/4 16:18
とりろーぐ自由詩6+*11/5/1 19:30
Land Scape Goat自由詩10*11/3/29 20:03
Ou est ma agneau自由詩1311/3/19 3:03

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