彼女は美しかった。彼女は彼に出会い恋をして、結婚した。
職場結婚であった。私はそれを人づてに聞いた。
昔の私には彼女は救世主だった。特に何をしてもらったわけでもない。特に何をもらったわ ....
たましいよ叫べ

美しさを捨てて
醜さを追わず
叫べ
真っ裸晒して
己が源に叫べ

脈打つ
沸騰する
胎児たちよ

ぜつぼうの前に叫んでくれ
これが生命だと叫んでくれ
 ....
手をにぎれない時も
手をつかめない時も
手ごと切り取ってしまう時もあるよ

人と人は分かり合えなくて
凹凸がぴったりはまっちゃう人と人なんて
本当に少ないと思うんだ

説教はできな ....
母ちゃん サトウハチロー読めねえよ いつまでも馬鹿でいてくれよ ぷらり
蜘蛛が空から垂れてくる
私は呆けてそれを眺める

あなたは私の「蜘蛛の糸」か
そう問いながら
糸をすくって
この指の中にゆらゆら揺らしてみる

無防備にぶら下がった蜘蛛は
 ....
うらがなしさに気が付けば
亡霊どもの行脚である
呆然とする私の元へと歩み寄ってきては
かと思いきや全くこちらをうかがうだけであったり
それは母親を探す子供のようで

亡霊よ 家に ....
とある強迫観念から
色恋沙汰から離れて数年
が経てしまい未だ恋愛小説が読めずにいる午後
デ・クーニングなる画家の記事を見つけた
クーニング、クーニング聞いたことないなまた東京か
等と他愛のな ....
父に趣味の悪い映画をプレゼントした、ら、彼はたいそう大事にそれを観てくれたので、ああ皆が皆年をとったのだと分かった。
白髪が増えて禿げてきて、どうしょうもなく可愛らしくなっていく父は、棚卸しで息子と ....
ある盲目の糖尿病患者は公園に捨てられた。
医療現場という受け皿で”あってはならない事”ではあるが、
数えきれない孤独とエゴとが、只の人を翻弄する。

誰が己を選べるか。
戦争の有る国 ....
「後悔はしていない
海原はどこまでも広がっていく」



それは男の夢
私という女はその男を捨て
今は小さな小屋に住んでいる
どこまでも広い空を
四角い窓の外に出て
見る そ ....
便りにて
風が冷たくなりました
彼の人思う
夕暮れの日々


瞬くは
空一杯の一瞬と
よだかも光る
永久なる棺


良い人は
嘘をつかない母親の
声は遠くに
詩集を閉じる ....
そういえば、
と千津子は言った。
貴方何時までここにいるんだい。
天気は晴れかそれとも雨か。
飴でも降ってくれねえかねえ、
そんな事を思いながらお前に飽きる迄だよ等と、
笑いながら答えると ....
一週間前にがなりたてるように鳴いていた、蝉の死骸を見つけた。
こいつは実は長生きなんだ、騙されないぞ、と僕は思った。
この世は、騙される事が多すぎる。
ずっと彼氏は作らないと言っていた、大好きだ ....
仕事から帰って
社長と上手くいってないような気がして
幻聴にすべてを奪われるような気がして
水をたくさん飲んだ
がぶり がぶり
ありがたい ありがたいと
唱えるように

 ....


死を垣間見る
生に敏感になる





ぼん

わたしのいぬはしんだんです
あいしていたんですほんとうです
なのにあのこはにゅうがんで
ひとすじにょうをこぼしてしに ....
美しき世界



ほたりと雫が落ちて、
地面につく前に消えてしまう。
それはまるで届かなかった対話のよう。
繋がりたくて、それでもぬぐった涙のよう。

私は長く病を患い、  ....




私は砂。
水を含み、泥となって、
いつか形にならねばならない。
砂。

茫洋と昔の空を思い出す。
空はいつでも高くて、
私は不自由で。
とても自由だっ ....
つまびく。



つまびく。
とおい音がする。

海辺の砂の、さらさらという音にも似ていて、
夕闇の中、季節外れの蝉が最期の力でうたう音にも似ていて、



それでい ....
ほうぼうでにぎやかな幸せがとびかっている
それは日々繰り返す営みを重ねているから

苦労しらずの赤ん坊
いや違う
産まれてはじめて君が行ったのは
泣くことだったね

なあ
君は愛を見 ....
からの冬



陽光がふりそそぐ
あたらしい年


からの冬が
こたつを引きずり出して
わたしの足をつかまえる


春になってたまるかと
過去のわたしが追いす ....
この頃、しょう油のCMにさんまが使われています。
まったく、私はさんまが嫌いなのに、
しょう油は好きなのです。
秋茄子ではいけませんでしたか。
どうしてもさんまですか。
 ....
恋をして綺麗になってまた泣くね


気のせいかあの子の声がこだまする


フラれてはヤケ酒飲んで会社行く


彼岸花私の恋を浄化して


あの花の名前忘れて久しきは


 ....
「あなたはとても、うりざね顔のエロい顔」
ぶしつけにもほどがある言葉を昔言われたことがある。
まだ生娘だった時。

そして年月が経ち、三十路。
もはやだれも口説きに来やしない。
 ....
私は八月の夜、
声なき慟哭に揺さぶられた。
慟哭、ではないかもしれない。
声はかすれていたから。
だが、あれは「慟哭」だった。
だって声をあげようにも、
隣 ....
永久ニさんざめく
ハラカラのこえ
桜ちるちる
やらわらかいツチ
きせつはハジマリソシテ過ぎ行く
ハラカラ忘れえず
我ほころばせ
なぜかちょいまえへ
たいむすりっぷ家族で

シニマエノハハに家族で
あそぶ

またたいむすりっぷ
母は死んだまま
ただラストもらった本ビジュツノ、だけがのこる
とほうもない





とほうもない時が流れ
あの時の笑い
あの時の悲しみ
全てが流れ
としてまた
とほうもない時を迎える

世界の始まりを人々は渇望する
 ....
いまいちど愛をくれぬか姫君よ曼珠沙華より強きあなたよ クーが死んで



クーが死んで
クーが住んでいた所に花を置いた
そしてTVを置き
カーテンをつけた

クーのいない日々に
じわじわと慣れていく

これが「生活」 ....
星になりたい



うつくしき者たちの裏側に
みにくき私のような者たちが存在する

みにくき私は「うつくしいもの」を渇望する
池に写るみにくき己の姿を見つめ
ただ「うつくし ....
田園(157)
タイトル カテゴリ Point 日付
ひそみに倣う自由詩216/8/12 4:19
叫べ自由詩116/8/11 18:32
手と手をにぎってどんぶらこ自由詩016/8/11 16:35
母ちゃん自由詩016/8/9 9:05
蜘蛛自由詩1*16/7/29 20:40
統合失調症日記自由詩616/2/14 4:10
水の中の女に惚れ自由詩216/2/12 12:36
父へ自由詩3*16/2/11 20:18
クリスマスの傾斜自由詩2*16/2/11 20:11
一瞬に輝く自由詩314/9/30 7:12
ランダム短歌514/8/31 11:37
千津子散文(批評 ...414/8/31 11:31
はーどぼいるど自由詩6*14/8/17 5:02
無題自由詩514/8/17 0:52
自由詩414/8/16 21:20
美しき世界自由詩7*14/2/10 15:36
自由詩4*14/1/16 22:30
つまびく。自由詩11*14/1/2 18:30
小さき魂自由詩114/1/2 17:04
からの冬自由詩214/1/2 17:03
拝啓、自由詩1*13/9/4 18:33
川柳2*13/8/13 0:09
まー嫌だけどよ。自由詩213/8/12 15:27
慟哭〜あるいはそれに近いもの自由詩213/8/11 14:08
我ほころばせ自由詩213/8/9 11:24
たいむすりっぷ自由詩213/8/7 15:40
とほうもない自由詩5*13/8/2 3:42
愛し短歌213/8/2 3:26
クーが死んで自由詩513/7/25 23:58
星になりたい自由詩213/7/25 23:56

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