組み立てて、組み立てたもの
を、ゆらして壊した
なぜだろう
ゆびのない夜がきみを
おいつめようとする


ゆびは、夜は、きみは、
どこにもたどりつかない
おぼろげな、消失点は ....
フレデリカ、日々は
青い円筒のかたちをしている
耳栓をきつくしめて
きみのための水泳をつづける





硬質なつめたい水面にはじかれるのはよわいこころだ、よわいこころだときみが ....
かすかに皮膚が振動していた
配線のくるったモーターが
きみのなかに棲んでいた
やさしいおとだ


ぼくたちのつながりは
こわれてしまいそうになる
緑や青のコードを
指でもてあ ....
はんぶん機械のようなものだ





コーヒーの無機的な味
オーソドックスに平日の朝をまとめあげる
適切な手段と手続きに従って、予定された課題を消化する

抗体がいまのと ....
やわらかく、いま
はっきりとした
輪郭で、ミシガン
名もない傾斜に、着岸
している、濡れる
髪のひかり、ひそやかな
荊、起き上がれずに
うわごとのように
ミシガン、破れ ....
飼っていたのは、音のない荒野
はちがつの、日なたに置かれたたまごのように
だきすくめるたび
わたしのりんかくを剥がすもの


透明な模型のような日々
を、くみたてる


 ....
遠く
海はもう
燃やされてしまって


夜半、満水しつつある部屋で
あなたとくりかえしたのは
みにくい突起を擦る、あそび


皮膚をわずかに覆う
半透明のセロファンを ....
ちいさな腫瘍があった
おそらく、せかいというものから隔てられた朝
ぎこちなく、触れることで
ぼくらが確認していたのは
痛みだったのだろうか



{引用=
この詩は、きみの
平 ....
キコ、あの頃みたいに
カッターナイフ遊びがしたいよ


廃校の裏に捨てられた注射器に
ためた雨水を夕陽に透かせば
遠い異国へ運んでくれる
琥珀色のモルヒネになったね
キコ、無人 ....
ラムコークのきらきらする泡を
退屈そうに、くだき
ちらすように
わたしのやさしすぎた
まちがいを
切っていった




微粒子の単位で
つきささる凍てつきの
ちりちりする
い ....
触れあうと 音もなく
はがれ落ちた 鱗は
ひとつひとつ 淡く発光して
僕たちは 喪失のただなかに
いびつな突起物を
あてがいつづける
いくつもの 鮮烈な傷跡を
つめたい指 ....
かたん。




わたしの、やわらかい場所が、いい部分とわるい部分とに、ひとつひとつ解体されていく。いい部分は、礼儀正しくつるんとしていて、感触がない。わるい部分は、どれもいびつに明滅して ....
ゆうぐれをあびると
くびすじから、すこし
てんしのにおいが
する
だから もういちどだけ
とべる



きみも ぼくも
もう もどってこれない
こくばんに
らくがきしたかっ ....
夏のおわり
夜風をあつめて
帆をたたみました
骨のぬるい晩のことです



しん、と澄み切った屋上の一隅で
片付かない、ちっぽけな一匹のままでした



(金属製 ....
―――いつも雨の音がする



ひんやりと冷たい、鉛の棒で、
心臓をゆっくり刺し貫かれるような違和感で目が覚める、
午前3時、のろのろとベッドを這い出して、
レジ袋から転がっているペ ....
あたたかな毛布にくるまりながら
君の名前を小声で叫んでみる
世界のはじっこで
群れにはぐれたトナカイやヒツジも
安心して駆けつけてこられるような
優しい距離で



いつのまにか伸 ....
きれいな名前をもらった
壊れないように
ちいさく口ずさむよ
動かない両足を
なげだしたまま



今夜も
きみは訪ねてこないね
夜のじかんは
やさしく騒がしくて
フラスコの中に ....
女子高生のスカートが短すぎるけど
パンツを見せびらかしたい
わけじゃないっぽい
たぶん
僕らの青春なんて
誰かのひざ小僧とパンツの間で
いつも迷子になっていて



キオス ....
{引用=
アウトバーン、
幾筋も空に架かって透明なチューブ状の、
それはアクリルガラスを通した人工光に照らされて
オレンジ、グリーン、イエロー、
ゆっくり蠕動する虹色の生き物みたいで
なん ....
プラットフォームの
割れた電光掲示板
傷ついた蛍のように
オレンジに
滲んで


ゼリー状の夜を滑りゆく
ゆるやかに
最終列車のネオン
行先不明の僕たちは
いつだって最後 ....
ねことら(110)
タイトル カテゴリ Point 日付
遺産自由詩309/11/28 18:53
だいすきなフレデリカ自由詩909/11/26 20:42
しずかなモーターは順回転で幸福をはこぶ自由詩209/11/23 21:12
確証のないこうふくのなかで自由詩209/10/2 14:18
 ミシガン自由詩709/9/30 23:42
ペパーミント自由詩509/8/18 22:28
偏熱 −GREEN LIGHT− 自由詩409/7/30 22:04
faraway自由詩609/6/13 13:27
キコ自由詩908/12/27 23:25
Syncopate(シンコペート)自由詩508/12/20 2:56
filament自由詩508/10/18 22:31
はぐる、ま自由詩1208/9/23 22:31
ばいばい、てんし自由詩608/9/21 9:59
中秋の晩に自由詩608/9/15 1:22
青の異物  (すきとおる、自由詩708/9/5 3:09
かじりかけ宇宙自由詩908/8/19 0:34
えいえんが生まれるまえに自由詩808/7/5 10:49
くらげはやさしいゆめをみる自由詩1008/3/14 16:06
ねえ、デイドリーマー、散文(批評 ...408/1/30 17:28
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