温度はリズムだときみは言った
そうだね、窓を開ければそこには
夜の音がひろがる
透明な町
メタリックブラック、複数のビル
高い場所で永遠に回転する光
風は傷のようで
目には見えな ....
キスをしたい。どんな。夜の水滴のような。
短い呼吸と音楽。それは部屋かな。
きっと部屋だろう。個人的で親密な部屋。
わたしはきみと初めてだ。初めての夜。
窓は薄く部屋の明かりを消したら ....
薄く白みがかった雲という雲の覆った、町でした、
ここはとても広く、狭く、
町と町は記号的に隔てられているだけだから、それは町という単位で、
あるいはそれぞれが固有の生き物のように、存在してい ....
静謐に名前があるなら
誰にでも発音しやすい短いフレーズで
やわらかく閉じた個室
それぞれに振られる仮名
aからcを辿ってeへ
きみは誰のための単音を拾うの
揺れる、揺れ ....
三連休。三連休だ。三連休って響きがいいよね。
三連単。三連チャン。山紫水明三千世界。
息するように文章を書く。個人的なライティング。
ライティングなんてすべて
個人的なほうが害がなくて ....
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クオリア/クオリア/クオリア/クオリア/
透明な、感情の、
クオリア/クオリア/クオリア/クオリア/
響き渡る、行き過ぎる、
クオリア/クオリア ....
ドラッグストアでペプシゼロとヨーグルトを買った。
夜の店内は空調が効いていて、白っぽくて、乾いている。
手をつないだ恋人たち、メガネを掛けた会社員、綺麗な身なりの女の人。
みんな等間 ....
退屈が積み重なったら古い地層みたいになってしまって、
その灰色のひだとひだのすきまに挟まれたまま白目をむいてる。毎日。
タイムカードを通した。接触が悪くて何回かタッチしないとチェックできな ....
液晶テレビは打撃ダメージに弱いから、
画面の中心に弾みをつけて回し蹴りでかかとをあてたら、
放射状にひびが入ってきっと破壊される。
でも、その破壊が機能を完全に損なう可能性は高くなくて、
電源 ....
ヨルシカの太陽ばかり、昨日今日と聴いている。
/ゆっくりゆっくりとあくびの軽さで
行ったり来たりを繰り返しながら/
/私が歩いた道も、私の足も
私が触った花も、私の指も ....
心は揺れる。いつも頼りなくて、大嫌いだ。心。
心のことを書いている。
ちりちりとした火に焼かれる日々のことを思う。関わったり、失ったり、人として生きることの苦しさと、辛さと、そのたびに乱れ ....
湿度の高くまとわりつくような熱と空気の密度に対して、肌の内側からゆるく反発するような力を感じている、夏の昼下がり、こうしているとまだ生きていられると思う、それは当たり前のようで当たり前では ....
何か例えば
そういう事を言いたいんじゃなかった
光ったり遠かったり
触れられるものを大切にしたかった
古いボールペン
革のノートカバー
綴られた文字は癖があって
誰が書いたか
....
安全で守られた土地へ
だれもいない
ここに光る
古い回路
無造作に
わたしの単音は
規定され
ようやく呼吸を
思い出しはじめていた
輪郭の記録
signal
こちらの温い ....
今日のことだけ大切で、昨日までは忘れた。
ぼくは地名も歴史もわからないし、
暮らしにはコーヒーと猫があればいいと思ってる。
AとかBとか記号のように生活を送る。
広い雨の大通りを、微生 ....
汚れた衣服をいくつか籠に放り込んで、そうしてぼくたちはカラフルな影を選んで家路についた、どの日めくりにもあった日焼けの跡のことを、反射する屋根の眩しさ、室外機の低い振動、五月は水色のタイト ....
きらきらの泡のペプシコーラみたいな週末が、ぼくの身の上にまきちらされていた。映画館のアルバイトは忙しくて、深夜に帰宅したアパートでは雨漏り騒動があったし、スマホは調子が悪くてなんだか通知がうまく届かな ....
あの壁と、この壁は違った
透明な呪詛だと思えば、
(知らない舌)
やがて、幾度となく数える
花のありかのことを
遠く、広い、呼吸は
(さみしいだろう)
背景に描かれたものたち ....
どのような一日にも正しく夜が訪れること、真新しい傷にも沈黙の色が塗られていくこと、手続きを終えることなくありのままに申し送りをしていく、例えられた光、覚えたままの足取り、省略や ....
長い残照
区切られた間隔を、みていた
緩やかな光と、溶け残ったかたち
手を触れれば、それは
ぬるく指の跡のまま、ほどけた
息づくということの、体温を
そばに、頼りない拍動の
....
フルオブライフ、
透明度の高い日々だった
言い換えれば僕たちの
一つ一つ箱詰めにされた
コワーキングスペース
揺れること、かすかな
軸を保ちながら
君の硬い輪郭線で、描か ....
きれいな石を捨てる
単純な計算で
加速していく、
夕暮れの
あなたはそこにいてもいい
まわりには誰もいない
はじめから始まってもいない
想定、かつて
砕かれた液晶を ....
wi-fiの切れた風景
ビットレートが滞って
すすんだり、もどったり、
わらったり、する
pngでもjpegでもいいよ
解像度の低い幸福は
夕立のように僕らを襲った
観測は遠 ....
酔っ払ってるような言葉だったから気にも止めなかった。電車は数分おきに発車してて、それぞれの路線にそれぞれの終点が用意されていることを知った。曇りがちで、夏のじんわりとした気配が少しずつ街に染み出してい ....
こんにちは!今日も元気に荒廃しているね。
共感が強制される街、言語野に損傷を抱えながら、お求めやすい限定価格、回送と終点、リモート授業、世界はアイドリング状態だ、ぼくの文体はふにゃふにゃだか ....
僕の話をしようか
僕の話は、たとえば
レッド、グリーン、イエロー
いろんな色の林檎から一つだけ
きみの心臓を選んでくる
そんな話さ
カタチはいびつに置いていかれるから
僕 ....
つめたい
匂い、縁取りは
複数のかけら
こぼして
きらきらと、して
積もったことを
そんなにも、きれいな
両手で
拾うように
きみは、
言葉は、薄く
ひかっただろう
け ....
外枠がある程度の強度で確定したから、あとは色とりどりのボールを詰めた。ここそこに刻む、文字のことだ。二進数的な歩幅で累乗に積み重なったそれは、借景となって僕らの街を覆っている。
僕らは言 ....
エアポンプから、水と空気がないまぜに砕かれ、一粒一粒の静寂に溶けていく音が聞こえる。遠くに暗闇の気配がある。僕の手の届く、このせまい暗闇とはたぶん質量が違うのだろう。持ち重りのする、ゆるい輪郭 ....
乾いた感覚で日曜の夜の表面を滑っていく
音楽やアルコール、色のない浸透でゆらゆら浮かぶ
希望、のような、淡い文学を
手に入れたい、と
思っている
言葉は、薄く切っ先を重ねてい ....
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