精神科病院で往診の依頼がある時
外来診療で終わる場合は
外来の看護師が医師に同行し
入院が必要と思われる時には
病棟の看護師が同行していた

救急車を運転する職員と併せると
往診は三名で ....
『畜生の分際で、人間はおろか、この閻魔さえ、騙そうとするとは不届き千万っ!申し開きなんぞ、聞く耳、持たぬわっ!』
 浄玻璃の鏡に、生きていた頃の姿が映し出されても、与一はムシロの上に座ったまま、うな ....
あの時
死んでくれていたらねぇ

深い溜息の後に
小さく呟いたアナタは

あの時
命だけでも救って下さい

確かにそう言った

あれから六年の歳月が流れ
あの時三歳だったこの子 ....
すぼまっている
ボクの感覚世界
知らない単語が
増えて
聞いたこともない
言葉に怯え

何でも
悪い方に考える君は
いつも
危機感をボクに告げる

いい加減ウンザリして

 ....
鬼と云えば、赤色か青色と相場が決まっていると言うのに。
何だ、この鬼は。
汚い灰色をして…。

それに、虎の褌も穿かないで、熊の毛皮を頭からすっぽり被っているなんて。

うすのろで、間の抜 ....
屏風山のずっと奥深い所に純白の峰があった。
その「せせらぎの峰」の頂上に立てば、この世の果てまで眺められ、全てを知ることができると云う、言い伝えまでがある。
しかし、頂上はいつも、雲に隠れていて、 ....
寂しい夜は盛り場に出て 
物憂げな顔の女を抱いた
日銭を稼ぎ働く俺は 
憧れだけで故郷を捨てた

ふるさと遠く流離う俺は
帰る当てなく安酒あおり
名前も知らぬ住まいも知らぬ 
行きずり ....
ビルの立ち並ぶ大きな町の貧しい裏通りに、子どもが大好きで、子どもを前にしては、得にも損にもならない夢を、細い眼をしながら語る、おじいさんが住んでいました。
一日の働きによって、暮らしぶりが左右される ....
小雪と雪穂
今、リカちゃんの
着せかえ人形にハマってて
何だか
着替えをさせたりするのが
面白いみたいなんだよねぇ

爺婆にオネダリすれば
買って貰えるとでも
孫に教育したいのだろう ....
小雪は自転車の補助輪を取って
乗れるように練習してるのに
雪穂が自分の三輪車じゃなくて
おねぇちゃんの自転車に乗りたいって言って
小雪よりも先に補助輪無しで
自転車に乗れるようになったさ。
 ....
娘が言う
「来年小雪は、小学校入学なんだけど
ランドセルって高いんだよねぇ。」
そんな言い方で
爺婆に自分の娘のランドセルを
買わそうって魂胆に呆れながら

隣町のリサイクルショップで
 ....
1999年1月号の「月刊ナーシング」で
[特集] パワーアップする看護士たち

病気か障害か,医療であるのか
福祉なのかということ
~分裂圏メンバーへの
新たなアプローチと
看護業務に関 ....
紫陽花の花が秋桜に恋をしました。
いつかその純粋な想いを伝えて、
一緒になる事を夢見ておりました。
そうして紫陽花は、
その想いを、日に日に募らせて行きました。
しかし、ある時、風がささやき ....
限られた窓枠の硝子越しに、月を眺めるのが好きな道化人形。
箪笥の上に置かれっ放し。
ほこりにまみれて色褪せた笑い人形。
箪笥の上に置かれっ放し。
話し相手も居ない、随分前からのひとりぽっち。
 ....
村はずれの一本道に、その街燈は立っておりました。
北風と雪にさらされ、寂しく立っておりました。
ある青白く凍える晩に、月が雲の陰から顔を出して
「寂しいか。」と言いました。

街燈は、雪の下 ....
西中学校の数学の先生が
江田先生だった

特攻隊の
生き残りっていう噂があって
トヨタのパブリカに乗って
丘の上の校舎に向かう

前屈みになって
ブルドックみたいな顔で
ハンドルを ....
貧乏村からちっとばかりの山深いところ。
いつの頃からか棲み始めた鬼。
棲むのも当たり前
そこは、大きな声では言えないが姥捨て山。

昼間のうちに、一人捨てると、その晩は、耳ざとければ、はっき ....
朝顔が知らないうちに、つるを出していたので、竹の添え木をつけてあげました。

その晩のことです―――

朝顔は、とっても人見知りの恥ずかしがり屋なのに、竹は、とっても明るく朗らかでした。
「 ....
整形外科病院に
通っていた妻は
「体の彼方此方が
痛むけど
原因不明なのよ。」と
処方されていた薬を
服みながら言う

痛み止めが
すぐ無くなると言うので
ボクが
処方されていた ....
「何十代も続いた家も沼の底になるのかのぅ。」
爺が、鼻水すすって呟いた。

平野(ひらの)の村は、毎年夏に氾濫するぬらくら川のせいで、田畑はびっしょり。
収穫のあがらずの貧乏村…

村長は ....
倶知安イモの本場 倶知安イモの本場
十勝平野で採るイモも ニセコ山麓で採るイモも
イモに変わりは無いじゃなし 茹でて食べればみな同じ
 
倶知安イモの本場 倶知安イモの本場
男爵 紅丸 キタ ....
ボクが唄う北海道のご当地ソング
「じゃがいもの唄」は
「お座敷小唄」の替え歌だ

野外フェスに出演した時に
アイリッシュ音楽を演奏していた
アイルランド人が
流暢な日本語で話しかけてきた ....
大ちゃんは
いつもエプロンをして
前歯は二本抜けていて
何も聞いても
「ゴーオッ。」としか話せなかった

「大ちゃん。おはよう。」

『ゴーオッ。』

「今日は、何の作業するの?」 ....
足りない頭を短く刈り込み 
制服着こんで姿勢を正せば
賢く見えるし金は貰える 
笑いが止まらねぇ

あそれ 1.2.3.4 
いかした自衛隊Blues
倒産失業ありゃしねぇ 
おまけに ....
詳しい事情は知らないから
発言することは
控えていたいと考えていた

でも

日本に六例しかない
難病の痛みに苦しみ
他人の介護を受けながら
それでも人として
役に立つことを模索し ....
学園祭で土井ちゃんは
ギターの弾き語りで出演して
松山千春の「銀の雨」を歌い
喝采を浴びたのを横目に見ながら

そんな風に歌うことは
格好悪いことだと信じて
疑わなかった
だから
雑 ....
作り物の三味線で薄ぺらだな じょんがら節を叩き奏でる
あばらの浮き出た痩せぎすの 体から赤い褌 いのちの証

飛び跳ねる のた打ち回り くるくるくるくるくる狂う
縮こまる 這いずり回り どろど ....
蛸が自分の足を食べて 生き延びるみたいに
赤字続きで国鉄は ローカル線を廃止した
頭だけになっても 足はいつかは生えてくると
だけど本当の狙いは 頭のすげ替えだったのさ

働く人の暮らしを守 ....
何を語り歌おうか 客の入りを気にして
退屈を履きながら 彼方此方をウロウロする
どうでも良い事ばかり 話し合い打合せ
生きてる証欲しくて 迷いながら聞いてた
そうして俺は今日も 出鱈目を叫ぶ
 ....
倶知安厚生病院に
入院中だった母親が
意識を失い
ドクターヘリで
札幌の病院に運ばれた

知らせを聞いて
病院に駆け付けた時
点滴や酸素マスクや
ベッドサイドモニタで
管だらけにな ....
板谷みきょう(389)
タイトル カテゴリ Point 日付
往診の思い出自由詩2*21/7/13 12:27
すすき野原で見た狐[group]散文(批評 ...1*21/7/11 23:38
一九七八年のこと自由詩4*21/6/30 22:40
スッキリが始まる八時に自由詩1*21/6/29 8:04
灰色の鬼[group]散文(批評 ...1*21/6/27 22:08
もみじ[group]散文(批評 ...1*21/6/27 22:01
派遣失踪の詩[group]自由詩1*21/6/18 13:51
クリスマスプレゼント[group]散文(批評 ...1*21/6/16 23:06
孫3自由詩2*21/6/6 0:14
孫2自由詩1*21/6/5 12:12
孫1自由詩1*21/6/5 12:11
寂しい心と思われようが自由詩021/6/4 12:18
紫陽花と秋桜の話[group]散文(批評 ...021/5/31 22:27
道化人形[group]散文(批評 ...021/5/31 22:07
街燈[group]散文(批評 ...2*21/5/30 18:37
江田先生自由詩2*21/5/29 22:08
[group]散文(批評 ...1*21/5/29 20:54
竹と朝顔[group]散文(批評 ...1*21/5/28 21:34
ルビー婚式を過ぎて自由詩021/5/28 21:32
河童伝[group]散文(批評 ...1*21/5/28 7:36
じゃがいもの唄(お座敷小唄)[group]自由詩1*21/5/25 11:58
小さく笑った思い出自由詩1*21/5/23 23:33
四十年前のこと自由詩2*21/5/21 13:50
じれったいBlues( G.I.Blues)[group]自由詩021/5/17 20:51
あれからひと月が経ちます自由詩4*21/5/16 1:06
北星余市の10期だもの自由詩2*21/5/15 0:53
鬼の踊り[group]自由詩1*21/3/2 23:17
青空の下で[group]自由詩021/3/2 22:21
Singing[group]自由詩021/3/2 22:19
ドクターヘリに乗った母のこと自由詩1*20/11/27 12:18

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