彼女の首にそえられた腕枕には、肘から向こう側が無かった
目隠しをしている
寝息を立てている
肘から向こうの虚空について夢を見る
僕はその虚空に取り残されて、シングルベッドを俯瞰する

とこ ....
にんげん、の思考が災害として認識された起源は不詳だけど、
 れきし、が21世紀で終わっているのは、僕の日記の日付が証明している
  そら、が青く高いから夏はまだ続いていく、最後のページが濡れていた ....
砂鯨はありふれている
都市の外周壁は、理性を囲う
その外で、私は妄想を追う
天体の運行が、おもむろに歪む
歩みに夜が混じる

廃棄された夜景を拾う
触れた先から崩れていく
風景は一刻を ....
詰め物をされた銃口を、鼓膜に擦りつける
密着する日常
明日起こるべき異変に、紙切れ一枚分の宣伝もない
街宣カーは叫び続ける
知りませんでした、知りませんでした!
私たちの頭上で炸裂 ....
満ちたり欠けたりする月のように
人と人の間に打ち寄せるさざ波
指と指をからませ確かめる温度に
永遠という名の嘘が漂う

舟に揺られ夜の海で星を眺めながら
それぞれの孤独が空の上で出会う
 ....
卵の殻でおおわれても
素足だけは、隠さない
飽和/撹拌/Repeatされるセカイ
名前はまだないの、
黄色い嘴を震わせて、
舌を噛む、ガムを噛む、部屋を出る
積み上がる満月のびるでぃんぐ
 ....
ケーキみたいな毎日が
僕らの頭上に広がって
シフォンの粒が降り注ぐ
打たれた人は気がくるう

幸せすぎて気がくるう
毎日が広がって
僕の頭上にも降り注ぐ
ハチミツくちで受け損なう

 ....
寄りかかるように抱擁する
くびすじに鼻をうずめる
匂いがする
人なのか、花なのか

どこに生えればいい
ここに生えてほしいとは、言えない
空白が待ち構える
根を張ったら、そこで何もかも ....
この十字路は侵されない
土を敷き詰めた箱庭
べろを食みながら、本を読む
スミレを植えて、季節を待つ

栞を挟んで、雨を待つ
町が沈むたびに誰か来るから
スミレは枯れていく
叫ぶ人を庭に ....
放課後の校庭を眺めながら、口笛を吹く。
[guitar]に触れたいけれど、私の指は短いから、
つめを伸ばしても届かなくて、唇を風にたて
るしかない。冷たいよ、もう11月だし、窓を
閉めようとし ....
鎖骨のくぼみにわずかに溜まる
水を求めて鳥が来る

町が沈む
のを、眺めていた
ついばまれながら

むき出しの乳房には、どの子も手を触れなかった

割れたくちばし
こわばった翼
 ....
軒先にナイフをぶらさげながら、雨が止むのを待っている。

したたる雫は舌足らずに私の下で喘ぐだろうし、
着替えた下着は乾ききらずにあなたの肌を濡らしては、
行ったきり途絶えた糸電話の答えを探し ....
君に触れ、焼けた小指に水ぶくれ
さみしと裂けて飲み干す声を
あなたが降りた後の地下鉄に
言葉になりきれない音が鳴っている
ガタゴトカタコト
言葉のトレイン
頭に鳴り止まない音が鳴っている

大好きな女の子の背中には
大人になりきれない羽がある
 ....
ライオン ライオン
たてがみなびかせて
背筋を伸ばして街を歩く
右も左もわからない街で
値札のついた肉に手を伸ばす

檻から出て初めて見たものは
凍える冬枯れの街の景色
霜の降るたてが ....
ほら、犬だよ
食べて食べて、腐るんだよ
足元を見てよ

ほら、犬だよ
食べて食べて、腐るんだよ
足元を見てよ、もっとだよ

+

すれ違う人の熱量が、ぽたりぽたりと残像になって
 ....
ひづめの割れたピンヒールはいて、痛むかかとを引きずり歩く
そんな足じゃこんな町で生き抜くことは困難
赤くはれた目玉さらし、かかと踏んだ靴の底で
刻むビート
ワンツーステップすってんころりん
 ....
美しく清浄な町並みの真ん中
まだ僕は正上位じゃいけやしないんだ

アレルギー体質じゃ生きれねえよな、連日
息抜きも一抜けもできぬような現実
夢のようなストーリーにはフィクションの注釈
君は ....
今日、二十歳になる君が、初めてドアのたたき方を知る
マナーなんてない、ノブを蹴破る
後ろ指差して笑うやつがいる
警官は君の腕をつかむだろう
引きずられながらも鳴り響くベル
鉄、屑、なんて呼ぶ ....
月明かり煌煌と
照らし出す方向に
踏み出したおれの影を
振り返りなげく
投げ出した物事に
宿っていた
忘れ去った言の葉

震えながら
古傷をなめあっている関係

今夜月の海で会う ....
十四歳で月光になってしまった
あどけない少女は、くちのまわりを群青まみれにして
細長くのびる、雲の向こうへ消えた

高架下には、濃紺のスカートが脱ぎ捨てられていた
河川敷には白い靴下が、くる ....
酔っ払いの詩人二人が寝床を求めて、僕の家を占領している。話題に困ると家系の話ばっかりするほうは、ベッドを奪って天蓋気分だし、労働の尊さを語ったあげく、散文ジャンルからランダムに選んだ一文を音読しろと要 .... 旅行から帰ったら、メールしますねって
彼女はポーランドへ旅立った
体、弱いって言ってたけど、大丈夫かな

日当たりの悪い牛丼屋で食った豚めしは、薬品のにおいがして
自分と同じにおいだった
 ....
青空にぶらさがっていた天使が地上に降りて
ポケットのなかでふるえている
半端にちぎられたコードは宙ぶらりんで
青白い声だけが、あまねくさまよう
電気信号は、いつだって正しい
素早く、正確に、 ....
川上から
くちびるも切れないような
と、いう言葉が流れてきて
あわてて口角をぬぐう

せっかく飲んだ酒を
鴨川に吐き捨て
突っ込んだ手が、宙ぶらりん
いびつな弧を描いて
よどんだ虹が ....
老人介護の
問題提起は
現代社会の
人間関係の
希薄さを
我々全員に突きつけています。

地域の
福祉は
善意の
奉仕によって
まかなわれるものの
やはり
現代社会の人間関係 ....
初めてトメゾウさんのオムツ換えをしたとき、僕は当然のようにトメゾウさん、のうんこに触れた。トメゾウさんのうんこはとてもくさかった。指のあいだも、爪の隙間も、とてもとてもくさかった。だんだんトメゾウさん .... ひとつ。
僕たちは、やさしい言葉づかいに気を使います。

この文脈における「やさしい」とは
ゆとり、教育における円周率3,14をおよそ3としてあげるやさしさではなく
旅先のトイレのドアをあけ ....
老人介護の
問題提起は
現代社会の
人間関係の
希薄さを
我々全員に突きつけています。

地域の
福祉は
善意の
奉仕によって
まかなわれるものの
やはり
現代社会の人間関係 ....
四畳半の寝床に、あなたは青少年の剥製みたいに横たわっている。寝息の横で、置き忘れたペットボトルが汗をかき、エアコンは一晩中走り続けて惰性で回転していた。

四畳半のせかい
、から問いかける
つ ....
しゅう(52)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
やさしいうたはうたえない。文書グループ07/9/5
投稿作品
洗練された人間関係について自由詩011/6/9 3:07
未詩自由詩010/10/16 16:21
妄想都市自由詩310/10/13 4:43
私たちの頭上で過去破裂した事実についての未詩自由詩1+10/8/9 3:02
二十億光年の孤独を笑う自由詩210/6/13 0:01
COCK PIT自由詩009/12/7 12:25
ストロベリーフィールド自由詩109/10/22 1:10
抱擁自由詩309/10/20 2:30
交差点には白い箱自由詩209/10/13 23:34
三階にて自由詩009/10/11 4:00
鉄塔にて自由詩309/10/10 5:47
無題自由詩009/10/7 2:47
短歌009/5/25 21:25
トレイン自由詩309/1/15 10:39
ライオン自由詩109/1/10 9:34
アンダースキン自由詩108/11/23 2:46
けものみち自由詩108/11/23 2:45
リズムレッスン自由詩108/9/27 6:14
ノッキンオンヘブンズドアー自由詩007/11/27 4:56
メモ未詩・独白007/11/25 2:56
月下自由詩207/11/2 1:41
DTKYK未詩・独白107/10/29 4:03
ポーランドはドイツの隣ですよ、ってどういう教え方なんだ自由詩107/10/28 10:34
ユビキタス自由詩407/10/26 5:02
うたかた自由詩407/10/1 4:46
やさしいうたはうたえない[group]未詩・独白2*07/9/5 17:00
少年Aによるレポート[group]未詩・独白0*07/9/3 10:01
やさしい言葉づかい[group]未詩・独白1*07/9/3 9:48
青少年による老人介護のガイドライン[group]未詩・独白0*07/9/3 9:40
8/21未詩・独白007/8/22 11:06

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