私たちの頭上で過去破裂した事実についての未詩
しゅう

詰め物をされた銃口を、鼓膜に擦りつける
密着する日常
明日起こるべき異変に、紙切れ一枚分の宣伝もない
街宣カーは叫び続ける
知りませんでした、知りませんでした!
私たちの頭上で炸裂する、問いと王冠

雲はぎょるぎょると時間を撹拌する
昨日食ったポークカツが水道管に引っかかる
逆噴射する、錆びついた血液
倒れこむのは自由だ、道端で、校庭で、バス停で、台所で、
今、何時なのかも分からないまま、
時計の短針と長針の隙間に、西日が差している

100年が1000年になってもう10000年になる
宇宙世紀が始まる1時間前になって、
これから起こる未来に飽きて、テレビを消す
真っ暗な画面の向こう、おれたちが見ていない世界で、砂嵐が散る

蛇口からこぼれおちる、生身
ありふれた人間、
その柵の向こうで、イキイキと鬼が笑う
三日月を顔に張り付けながら、高く跳ねまわる
何か大切なものが欠けた
空がゆがむ
苦痛の雨、その第一滴、

警報が鳴る

赤い夜明けが来て、それが合図


自由詩 私たちの頭上で過去破裂した事実についての未詩 Copyright しゅう 2010-08-09 03:02:32
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