広い夜空を見上げる
戦いの拠点になった場所から
眺める秋夕の満月

ゆるやかに弧線をえがく
霞をかけていた雲も
どこかへ消えて
満月が高く高く輝く

月を見上げて
土の上に横た ....
この8月
ほとんど毎朝のように
新聞を読んで
泣く

いいかげんに
してほしい
感受性

あらゆるいのちと
沁み入る哀しみ
分かち合う喜び


低気圧のせいか
ここ数日
 ....
「太陽のように明るく光る子になりますように」
三姉妹の名前は
名付けられる

三姉妹は
保育園だけ私立に通う
それは学費が安くなったかららしい

白い肌で明るい髪のイエスの像に ....
胸がつまる
わけもなく

ただ自分だけが
そのわけに気づかない

からだをゆるめてゆく

なぜだか
なぜだか
泣きじゃくる

涙があふれる
声をあげる
しゃくりあげる

 ....
毎日のように
ピアノに触れる
からだに習慣がなじんでくる

五線譜の通りに弾いていた子どもの頃
打楽器のように思うままに即興で弾いていたここ数年
コードのハーモニーに慣れ始めた近頃

 ....
最近手に入れた
つばの広い帽子をかぶり
日傘を差して
東へ東へと
自転車で走る

お気に入りの路地を抜けてゆく
一昔前からずっとある家々
毎日手入れされている植木
いつも時空がほわん ....
まっすぐ向かってくる
まっすぐ向かってゆく
まっすぐ向かいあう

曲がってくるものは
ただ見るだけ
流れてゆくまで待つ

まっすぐなものだけ
受け止める

そして
わたしも ....
きのうの夜はめずらしく
ハンマの脚はうずかず
ぐっすり眠れたそうな

梅雨が明ける

ハンマは
一張羅を身にまとい
毎朝リビングのテーブルで
コーヒーを飲み
診察時間まで過ごし
 ....
一年前の七夕は空の上だったなと
ふと想う

土曜日の夜
友達が七夕イブイブパーティに来れず
「僕のために"enough"と書いておいて」
というメールが届く

 ....
ふたりの車いすが
つながって
なめらかに
坂を下って行った
鏡で
からだのまんなかを
映してみる

無意識の下のほうで
こわかったのに
やっと気づく
安心する

一緒にいてくれた人の
声を
10年以上ぶりに
聞く

カセットテープを ....
夜の町を
自転車で走る

北か東か南か西か
どっちに向かっているのか
わからなくなる瞬間
宇宙にぽつんといる自分になれる

気づいたら
忘れていたという
境地は
後からしか
振 ....
ほらごらんなさい
目の前に
突きつけるよりも

表そうとするだけで
現れてくるものを
さらっと差し出す

もっともっと
深いところに
届くように

根底から
ひっくり返して
 ....
薄いベールに包まれた
幻想を破って
わたしまでたどり着いたら
存在の重さに
音を上げるだろうと
こころのどこかで
分かっていた

根性なしめ
だんだんと太陽とともに過ごす時間が
ながくなってゆく

日に日に

それでも
ここが夜なら
あそこは朝で
やっぱり地球はまんまるい

まださぶかったころに
浜寺公園行きの電車を
 ....
桜の木の枝に
桃色の気配が
漂いはじめる

艶かしさ

清らかさ

境目を
見せない
おんなの粋を
桜の妖精は
知っている

春の気配と
雨の後の湿り気の中で

 ....
ひなまつりの朝
寝坊をして
何も食べずに
自転車に飛び乗る

今日はもめごとなしでいこうと
約束していたにもかかわらず
叫び倒した挙げ句
汚い言葉を口から発してしまう
これで生まれて ....
どこからはじまっているのか
どこへとつながっているのか

ひっぱり
たぐりよせ
よじり
まきつけ

見えないふりをする
ひとびとが暮らす
島で
生きる

ひとびとにとって
 ....
ずっとまえやちょっとまえの過去
ちょっとさきやずっとさきの未来
にとらわれて
時の流れにもてあそばれてしまう日々

早くに逝ってしまった
友だち
この世に少しずつなじみつつある
子ども ....
あいも変わらず
呼吸は浅く

冬空の下を
自転車で駆け巡り
なんとか深呼吸を
むさぼる


気がつけば
ささいなずれが
底なしの溝に
なって

そうなってしまえば
どんど ....
水の都

おおきい橋
ちいさい橋
越えて
越えて


ふたつめの大きな戦争がはじまる前に
船にゆられて日本にやってきた
おばあは
メリヤス工場をさぼるように言われ
大阪の橋の上 ....
朝のラッシュアワーを
すこし過ぎた
大阪の地下鉄の中

今日で12年が経ちました
車内アナウンスの声

12年前にぐらついた日本に
いなかったわたしは
地下鉄の揺れに身をまかせて
 ....
皮膚が
外の世界との境目だと
あたまで
わかっていても
通り抜けて
ずしんと
からだの真ん中に
響いてしまう

誰かの哀しみ
誰かの喜び

誰かはわたしで
わたしは誰かで
 ....
戀猫 狂ヒ鳴キ
   狂ヒ鳴ク
   狂ヒ鳴ケ

イツノマニ 狂ヒ舞ヒ
      狂ヒ舞フ
      狂ヒ舞ヘ

ソシテ往ク


戀猫 狂ヒ逢ヒ
   狂ヒ逢フ
   狂 ....
ぼんやり
傘さして
あるく

気がつけば
水たまりの中を
あるいている

じゃぶじゃぶ
あるく

雨粒は
水面に繊細なマンダラ模様を描き
わたしは
さながらシヴァ神の如き破 ....
安らかに 眠りと溶ける 春の殻
青二才とは 墓穴掘る君

A SPRING EMPTY BODY MELTS IN PEACEFUL SLEEP
YOU'VE ACCEPTED YOURSEL ....
 
幼い頃 
恐れを抱いていたモノに
今は
ココロの奥底で親しみを感じる

暗い階段の窓に映る姿
お風呂で髪を洗う背中に漂う気配
鉄工所の錆び付いた臭いと火花

幼い頃 
なんと ....
ころがってゆくならば
さいごは
ざぶんと海へ
逆さまに落ちてゆく

かろやかに舞うならば
いつのまにか
ふんわり空へ
昇り消えてゆく

生まれた時から
にぎりしめてきた
種を
 ....
この前の冬はおもちを毎日食べた
おもちを食べると
おちちの出がよくなるそうな
わたしにまだ赤子はいない

街へとつながる列車が途切れた日の夜
あたらしいいのちが
友だちのカラダを通って来 ....
「赤レンガ倉庫ができた1923年に
ハンマ(おばあ)は
済州島で生まれたことに
なってるねん

ほんまは丑年生まれやねんけどな

同じ村の出身の
ハルバン(おじい)と
結婚したけど
 ....
yangjah(32)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
潮味 The Taste Of Tide文書グループ05/12/27
投稿作品
月の光自由詩208/9/20 15:11
8月の涙自由詩308/9/2 19:39
光の差す方へ自由詩008/8/21 15:45
通り過ぎゆく哀しみ自由詩108/8/2 8:12
わたしはピアノ自由詩108/7/31 7:28
路地を抜ける自由詩108/7/24 22:24
まっすぐ自由詩108/7/23 11:21
愛しのroutine自由詩108/7/22 8:36
enough〜七夕の願いごと〜自由詩208/7/20 22:03
けしき自由詩208/7/19 8:51
まんなかの花自由詩208/7/16 14:14
めぐりめぐる自由詩108/7/14 10:44
表現自由詩008/1/25 1:41
音を上げる自由詩307/8/10 20:14
太陽がまんなかの日自由詩107/3/25 0:43
春おんな自由詩207/3/5 17:52
おんなの節句自由詩007/3/4 13:48
Alien Strings  自由詩207/2/27 1:23
nowhere自由詩007/2/15 23:37
ずれ・みぞ・あな自由詩107/2/8 9:57
おおきい橋ちいさい橋自由詩407/2/1 2:07
くりかえし自由詩207/1/19 10:39
境目自由詩107/1/6 23:36
旅猫の唄自由詩006/3/7 23:44
水たまりをあるく自由詩006/3/2 9:54
春殻便 SPRING EMPTY LETTERS短歌106/2/7 8:54
幼い頃、そして今未詩・独白006/1/27 18:48
初夢・初嘘自由詩106/1/6 16:32
おもちちち自由詩006/1/4 11:00
潮味 The Taste of Tide * OSAKA B ...[group]自由詩205/12/27 10:07

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