路地を抜ける
yangjah

最近手に入れた
つばの広い帽子をかぶり
日傘を差して
東へ東へと
自転車で走る

お気に入りの路地を抜けてゆく
一昔前からずっとある家々
毎日手入れされている植木
いつも時空がほわんと漂っている路地

その路地を抜けると桜並木の道

そこに子どもたちがたむろしている

「うるさい、だまれ!」
男にも女にもなりきっていない声が響く

小さな子どもたちが
ひとりかさの大きい子どもを
見上げている

「いいことばっかり起こるわけじゃないねん」

自転車で横を通り過ぎた瞬間に
凛とした大きな子どもは
女の子だと気づく

静かに静かに通り過ぎてゆく




自由詩 路地を抜ける Copyright yangjah 2008-07-24 22:24:35
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