秋になったから母の着物を破いて
小さな袋をたくさん作る

空の向こうに羊雲が見えたなら母の着物を干すのです
ゆっくりお茶でも飲みながら
正絹が呼吸をする音に耳を傾けるのです
<考えたことも ....
蓋のよわい弁当箱が
通勤電車のトートバッグのなかで祈る
どうかわたしを揺らさないで 
これ以上傾けないで
シル きゅううん うう
終点の駅までもう少し
ぎこちない指を組んで祈る

「俺 ....
東急池上線を何往復もするシフトは
大腸の図によく似ている と
やばい おれ 気づいちまった
そうするとこの7000系は食べかすか
酔っ払いを載せすぎたせいで
レールのきしみがやけに歌っている ....
中目黒駅到着です 
東急東横線はここから渋谷まで 地下を走ります

運転士のいた部屋は光の部屋
中目黒駅までは初夏の青さを真っ先に捕まえていた
「どうだ、東横線の風景は、いいだろう?」
運 ....
北西3.5キロの位置にある駅だった
今日も人身事故が起こった
ああ ここではなかった 
でも けっこう近かった
ちきゅうよりも重たいと教わった人体は
まいにち軽々とバッキリリン
価値がない ....
あれは なにに 向かっているのかしら
始発から終点までわずか7駅の
東急多摩川線の下丸子駅で
踏切を横切る黒いスーツの魚の群れ
陽射しの平手打ちを浴びながら
われさきに登れ登れと水を切り 
 ....
水は優しき 大田区
空の広き 大田区
母なる大田区と ひとがいう
足元に絡みあう夏草の思惑

大田区に住んで しばらくして気づいたこと

・・・絡み合っている糸がある・・・
・・・見ら ....
終電まぎわの駅員は
ふだん出したことのないような大きな声で
ヨベロ ヨベロ ザコッコ ヨベロ
乗り遅れる人がいませんように叫ぶ
腹腔を管楽器にして叫ぶ

●●ゆき最終列車 発車します・・・ ....
弱者の群れが押し寄せる 金銀の文字の上をこわごわと ふらふらと 歩む弱者の靴音が響く ジェイアール新宿駅を覆い尽くす 「こわいです ただ こわいです」 弱者絨毯は空を飛ぶ

駅員がひとり立っている ....
西武線の運転士が打席に入る
手先が器用で ちから無し
誰にも期待されていない8番セカンド運転士
傾きかけた西日を頬に受けながら
少しバットを寝かせて打席に入る
甘い高めのボールが運転士のまつ ....
この世の・・・教師。
綺麗な靴で乱入しては般若のお面で、領域、侵す、松岡さん、あなたの名前も含めてモザイク壁画をみんなで作りました、だからあなたも学校に出てきなさいと、ボウボウ、激しさの薪を背中に背 ....
その
自由と名付けられた駅は
いつも不自由そうに縮こまって
狭いホームにたくさんの人を載せていた
東横線の急行を待ち合わせるとき
スイート・スイーツ・スイっと抜けて
女神がいつも見張ってい ....
フラジールの札を括りつけられて
初めてのフライトは南の街へ
だけどギヤギヤ
荷物室で捻挫してしまったらしい折り畳み自転車が
袋から取り出された瞬間
ひやあ あんた
突然にしゃべりはじめた
 ....
幼児期の描画の発達は
殴り描きから始まって
円を描き 
四角形を描き 
それから三角形を描けるようになるという

ひとが描く最初の図形、それは、円。

「止まれ」と書かれた道路標識をす ....
本屋に檸檬爆弾を置くひとを見たので
わたしは明日 駅に林檎爆弾を置くことにした
花かごいっぱいに詰め込んだ林檎を
駅のどこかでばら撒きますよ
という
林檎予報

 ラッシュの時刻に群舞す ....
母は愛しているのです
わが子を愛しているのです
激しい雨が続いた五月
つつじの葉っぱの裏側で
もうこの手をあなたに伸ばして
可愛らしい額をなぜることは出来ない 
そんなときにも
母は愛し ....
冬に戻ったような夕暮れのベランダ 女王蜂が失神していた

まっすぐ伸びた長い羽
カンロキャンディー膨らむ腹部 
細いくびれを見せながら
あおむけに横たう女王蜂

その小さな唇に蜂蜜を飲ま ....
久しぶりに京浜東北線に乗った
有楽町 新橋 浜松町 そして田町
だんだんと混雑してゆく乗客のかたまりを車掌が押し込み
包丁振り上げドア閉める
ダ ン !
た た た
重たげに滑り出す銀青の ....
MOというメディアが、むかし、有りました。1.3ギガくらい1枚のディスクに入るので、「わあ、凄いたくさん入るな〜」という感じで、バックアップに使っておりました。

このたび、SCSIカードが見つか ....
乳がん検診のお知らせが区役所から届いた
もう そんな 季節なのか
下着のささえでやっと保たれた楕円の器を
ななめに置かれた板に押し付け
もう一枚の板を近づけ
 さあ 息を吸って 息を吐いて
 ....
{引用= 
 時は1358年10月
 戦場に向かう騎馬十騎 
 若き荒武者 新田義興
 信頼していた家臣の裏切りにあい 
 多摩川に浮かぶ船中にて 自害す
 矢口渡伝説}


戦場に ....
/佐々木丸美を読みながら/いろんなことを思い出す/そういえばわたしもみなしごだったと/うん/そうだったはず/と/ひとりぼっちの窓際で/少女がムセイするとき/物語に飢えている/わたしは/自分が/こんなに .... 都心の電車で急病人が出ない日はない
それは 
ふわふわと浮かび どこかで必ず破裂する 
金魚風船のようなもの

蒸し暑い夏の夕暮れに破裂するパアン
駅員がふたり あわてて走って行った
そ ....
 ・・・お客さま、お下がりください。
急病人をたくさん載せた急行急病人線が
終着駅の急病人駅へ滑り込む
 ・・・・お客さま、ご乗車おつかれさまでございます。
ホームの隅っこに葡萄がつぶれて駅員 ....
小田急駅員はいつも上品だった
小田急デパートで接遇を学ぶという噂もあった
なめらかな接客のできる上品な駅員たち
そして車掌はさらに上品だった
小田急車掌が閉める扉は障子のようにたおやかだった
 ....
あなたがもしも 田園調布に家を持っている人であったとしても
あなたはあなたを愛してあげてください
あなたの両親が愛情にあふれた素晴らしい方々で
お金に困っていない働き者であったとしても
あなた ....
最初はとても おおらかな声だった
弱ってるひとは いません?
その声に微量 差し挟まれる毒性に
その時 気づいていればよかった

きれいな服を着たひとが きれいな言葉の杖を振る
弱ってるひ ....
世界中の美女のすべてとは交わることができないかもしれない

というのが
夫の悩みのようである

ああ 世界中の美女をこの手に抱きたい
西の美女から東の美女へ
南の美女から北の美女へ
国 ....
さよならだ とまちゃん
さよならだ まだ黄色い花を抱いている君
少し気が早かったかもしれないが
スコップと鋏をあてがって
ジョッジョッジョッジョッ
奪い切る

さよならだ とまちゃん
 ....
ここはどこだろう 

花の香りがする

しろつめ草が脚にからみつく
薔薇の指先が頬をつついてゆく
そして たそがれ
わたしの身体がいつしか黒百合に包まれてゆく
地平の果てまで咲き乱れる ....
松岡宮(80)
タイトル カテゴリ Point 日付
キモノリメイク自由詩22*17/9/30 23:20
ベン ト ラッシュ自由詩9*17/8/8 18:53
往復自由詩317/7/2 13:00
一礼二礼自由詩9*17/6/7 0:23
皮膚のむこうに自由詩717/4/28 11:16
踏切自由詩21*16/11/28 9:18
大田区というひとつの完結した世界があり自由詩18*16/10/26 10:53
終電まぎわの駅員は自由詩9*16/7/18 14:27
弱 者 絨 毯自由詩1115/12/3 21:26
西の野球を観に行くところ自由詩615/10/1 23:18
この世の・・・教師。自由詩5*15/5/23 21:19
自由と名付けられた駅自由詩11*14/9/21 21:01
おしゃべり自転車折り畳み自由詩13*14/5/19 21:23
あの満月に帰りたい自由詩24*13/12/17 23:36
林 檎 予 報自由詩22*13/8/27 22:38
母は愛しているのです自由詩16*13/5/17 22:19
失神女王に蜂蜜を自由詩7*13/4/15 22:26
椅子を抱く車掌自由詩6*13/3/4 0:49
「作詞と詩と歌とリーディング」という原稿が出てきた散文(批評 ...5*12/11/26 21:46
性 の 器自由詩17*12/10/11 21:23
矢口渡自由詩9*12/9/29 22:21
佐々木丸美を読みながら2012自由詩9*12/8/3 21:13
金魚風船自由詩18*12/7/27 0:02
急行急病人線自由詩9*12/5/14 23:48
小田急車掌が燃えている自由詩15*12/4/2 23:45
Love yourself -Lady Gagaに捧ぐ-自由詩14*12/2/21 21:43
弱ってるひとは いません?自由詩11*12/2/14 23:55
美女アラウンドザワールド自由詩4*11/12/15 20:36
さよならだ とまちゃん自由詩10*11/10/10 0:05
にんにくしっくねす自由詩6*11/7/18 18:56

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