さよならが
身にしみた瞬間
時間が一瞬で溯る
満たされていた心が
風船のように割れ
記憶が一気に流れていく
追いかけても追いつけない
笑い声が風になって
次から次へと消えていく
空っ ....
傘に落ちるのは
こぼれた星のたね
空の雨漏りの下を
拾いながら歩く
雲の上で一生懸命
修理しているのは
虹の子供たち
君は照れ屋で僕は無口で
青空の下で鳥の歌をつかまえて
草の香りを聞いていた

二人言葉はなくても
一つの時間の中にいた

若く美しい葉の隙間に見える
空を丸く切取ったような月を
ひこ ....
ひとつ静かに夜を追いかけて
月明かりが映す山並みを眺め
青い風をすっぽりかぶり
キンポウゲの布団で眠る
横を向けば金色の海
ミツバチの足跡に残る
甘い香りが懐かしく
雲が急ぎ足で去り
 ....
あちこちから流れてくる
夕暮れの赤い空気
低く漂い猫の背が
虹色に光っていた

あちこちから集まってくる
長く細い影が一つになる
誘うのは妖精の色
春と夏の囁きの香り

爪の先に青 ....
ゆらゆらと雲が
水たまりで泳いでる
スズメが空と間違えた
弱いから小さいから
空へ行けないと思う
あの杉の木立
雨を覗く屋根
小さな空の傘
プラネタリウムが開く
弱くて小さな命でも
 ....
あなたは
手のひらに触れて溶ける
初雪のような匂いがする

あなたは
手に触れるだけで染まる
初恋のような色が似合う

あなたと
手を握ったら温かくなる
心が一人じゃないと思う
 ....
夏が少し遅れて
影を踏んでついて来る
僕が一番好きなのは
春だと知って
遠慮しているのなら
シャクヤクの花をあげるよ
どんなに花びらを重ねても
足りない愛を
この花は知っているから
 ....
虹の女神イリスが
一人ぼっちの妖精に
虹の刺繍糸で編んだ
ドレスを着せて笑った

地上に降りた妖精は
刺繍糸を一本だけ
すっーと抜いて
オタマジャクシが集まる
楽しい池の畔に挿した
 ....
滝のように流れては跳ね
山の風景を水墨画に変えて
髪飾りのように蝶がとまる
時の流れの先端に立って
綺麗だと思うだけで
心はつるに巻かれて
動けなくなる
風に揺れる藤の音が
あの日の雨 ....
ヒメウツギが
今日は結婚式よと言ってる
森のシャンデリアのように
白く明るく温かな
お祝いの言葉のように

ヒメウツギが
あなたの心を見ている
森の石鹸のように
白く光っている
く ....
シロツメクサが用意され
摘んでもいいよと言うけれど
花かんむりを作って
うつむく私に乗せてくれた
優しいあなたは
もう遠い記憶にだけ生きて
白い花は涙を吸った月のようで
果てしない花畑も ....
星になった子供たちが遊んでる
くるくるとメリーゴーランド
ぐるぐると綿アメ
ミラクルな夢が永遠に回る
宇宙の空にも夏が見える
土星は祭りの季節
タイツリソウの妖精も
自慢のイヤリングを並 ....
光が尾を引いて
路地裏を抜けていく
小さなほうき星
縦長の猫の瞳に
十字を切っていく
オダマキをくぐって
広い畑に飛んでゆく
運動会のように並ぶ
ねぎぼうずの花
陽に捧げるように
 ....
雨は花を綺麗にして
どんなドレスも似合うと言った

風が埃のない街を飛んでいく

水たまりの底に足跡残して
スズメが駆け落ちする

酸っぱいだけのレモネード
大人を気取って飲んでみる ....
天の川から
星がこぼれる夜
拾い集める妖精は
いつしか
ホタルのように
花の中で眠る
ベルが聞こえる
遠いところから
逢えないあなたの
声だけが届く
陽が長くなって
春が短くなっ ....
一人になるのが好きだと
そんなことほんとうは
思って欲しくないの
風の強い夜は
ウツギの細い枝も
いつもは届かない手を
お互いに差し出して
踊ろうかと言う
一人の部屋で耳を澄まして
 ....
無垢な白い花から
生まれて来るのは
天国から帰って来た
赤ちゃんの姿だろうか
暖かい教会のような
ハウスの中で
大事に育てられ愛される

妖精が小さな胸に
そっと抱いて
マリア様に ....
朝焼けの地平線から
黄昏の水平線まで
絶えぬ恋の言葉を
青空に書き続けた

空はいつでも心の黒板
まだ残るあの熱く
薄紅色に擦った雲は
天使の黒板消しのあと
空を泳ぐ蒼色人魚の群れ
尾びれが咲くように
輪になって踊る

新月に花壇を飛べば
猫も振り返り
青魚だと追いかける

ここまでお出でと
妖精の笑い声
背の高い姫昔蓬に囲まれて
青空を握ったような
ブルーデージーの妖精が
鬼ごっこをする
飾り気のない草たちに
リボンを付けながら
水瓶座がこぼした雨を
ひとくちどうぞと
葉に置きながら
 ....
淡く赤く
想い出のような
タイムの花が咲いた

妖精の足音が聞こえる
密やかに
ハープの音のように

私は眠れない星の子供
窓を少し空けたまま
香りをひとりじめして
夢の入り口を ....
お昼休みにだけ
あなたを見つめてた
あなたの借りた本を
いつも次に借りる

あなたの名前の下に
私の名前を書く
ただそれだけで
胸を熱くしていた

転校すると聞いた日
最後の図書 ....
雨上がりの夜
羽根を広げ
月の光をあつめて
命の継ぎ足しをする妖精

丸い雫がいくつも
次から次へと
クレマチスの葉に
泣いてるように流れていく

あした咲く花の色は
今夜の妖精 ....
片思いがすれ違う
風のなかに文字がからまって
いっせいに蝶が追いかける
ほどけないと知りながら
だけど放っておけないから
たった二つすきの二文字を
言い訳の海から拾ってくる
大勢の人と一緒に
私の森へ登ってくるあなた
もう忘れたでしょうね
一緒に遊んだのは小さなころ
あなたが空海の名前で
高野山に来ることは
胡桃の預言書で知っていた
小さかったまおちゃん
 ....
森の花屋は
入り口も出口もない
扉も屋根もない
店員の妖精は
ミツバチに押し売り
花のビー玉が降れば
枇杷の葉で雨宿り
黄昏は甘い香り
閉店知らせる風が
月を呼びに出かける
ずいぶん上手になったね
毎日庭から聞こえる声

あなたが歌っているよう

花が落ちた椿の枝に
私も並んで
止まれたらいいのに
長い冬だったけど
温かい冬だった
深いトンネルだけど
優しい匂いで満たされていた
春の音が流れてくる
そっと覗くと
蕾がひらく音がした
眩しい
初めて春を見る
小さなアリが一人
そ ....
待ちくたびれて
恋も忘れて
宇宙の底に潜る
小さな恋の泡が
時おり漏れて
魂のように光り
誰か捕まえてと願う
静かに一羽の鳩が
宇宙を飛んでいく
白い心で泳ぐように
蟹の泡を咥えて ....
丘白月(577)
タイトル カテゴリ Point 日付
貧乏な空自由詩220/5/2 20:24
空の雨漏り自由詩120/5/2 20:23
初夏の幻想自由詩020/5/2 20:23
キンポウゲの妖精自由詩220/4/28 18:56
キャットミントの妖精自由詩020/4/28 18:55
小さなプラネタリウム自由詩120/4/28 18:55
かすみ草の妖精自由詩020/4/26 8:43
しゃくやくの妖精自由詩020/4/26 8:43
アイリスの妖精自由詩120/4/26 8:42
藤の花自由詩020/4/24 22:45
ヒメウツギの妖精自由詩120/4/24 22:44
シロツメクサ自由詩020/4/24 22:44
土星自由詩120/4/23 22:42
玉ねぎの妖精自由詩020/4/23 22:41
雨の窓辺で自由詩020/4/23 22:40
ベルフラワーの妖精自由詩120/4/22 22:29
一人でも自由詩020/4/22 22:28
いちごの妖精自由詩020/4/22 22:28
黒板消し自由詩120/4/21 22:01
ブルーファンフラワーの妖精自由詩020/4/21 22:01
ブルーデージーの妖精自由詩020/4/21 22:01
タイムの妖精自由詩120/4/20 21:50
自由詩020/4/20 21:50
クレマチス自由詩120/4/20 21:49
ガウラの妖精自由詩020/4/19 21:45
クマガイソウの妖精自由詩120/4/19 21:44
妖精の花屋自由詩020/4/19 21:44
うぐいす自由詩020/4/18 21:32
ありの子自由詩020/4/18 21:31
蟹座自由詩220/4/18 21:31

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