キンポウゲの妖精
丘白月

ひとつ静かに夜を追いかけて
月明かりが映す山並みを眺め
青い風をすっぽりかぶり
キンポウゲの布団で眠る
横を向けば金色の海
ミツバチの足跡に残る
甘い香りが懐かしく
雲が急ぎ足で去り
夜をすべてあげると言った
そっと手を伸ばして
あなたを探すと
ぼんやりと妖精が見え
小さな妖精の唇が動いた
金星に花が生まれ
夜がゆっくり明けていく
手を繋いだような気がした



自由詩 キンポウゲの妖精 Copyright 丘白月 2020-04-28 18:56:21
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