キャットミントの妖精
丘白月

あちこちから流れてくる
夕暮れの赤い空気
低く漂い猫の背が
虹色に光っていた

あちこちから集まってくる
長く細い影が一つになる
誘うのは妖精の色
春と夏の囁きの香り

爪の先に青紫の花
誰にあげるの
白い花と交換して
夕日に溶けて消えた

花壇を覆い尽くす
うぶ毛の葉
まだ星もいないのに
夜のドレスを売り始める


自由詩 キャットミントの妖精 Copyright 丘白月 2020-04-28 18:55:43
notebook Home 戻る  過去 未来