さっと
拾い上げて行く
まるで
風が
降り積もった粉雪の
上澄みをさらって行くように
わたしたちの
真実を
積雪の中に
置き去りにして

そうして駆け巡る冷風が
冬の
いたず ....
ぼくには
現代が苦しかった
皆は
楽しそうにしているのに

ついて行けない自分が
ますます暗くなっていった

もちろん
明かりはLEDに変えたし
エンタメ情報は簡単に手に入る
ネ ....
ほんとうか
疑うことは
確かめるための第一歩
だった

しかし
うたのおにいさんは
うたのおねえさんの
秘密を守ろうと
画面からも
現実からも
その姿を
全自動システムで
消 ....
耳元に
毛細血管の危うさで
流れゆくのは
私の心臓

体中を駆けめぐる
火照った愛撫が
暴れ出すのを
待っている

水の臭いは排水溝へ捨てた
吐息を微かに白くして
私の心臓は
 ....
つらいの?
私はワタシに聞いてみた

つらい
ワタシは答えた

そっか、ふて寝した?
私は続けた

あまり眠れない
ワタシが言った

眠ったときは、いないよね?
私は問うた
 ....
ジーニー
最後の言葉しか
記憶できないきみに
語りかける言葉は
コスモスへの波動となり
私のカオスを整理する

だが
きみの実像は
何もない
ないのにあると感じるのは
原子の世界 ....
通りすがりも 同僚も 家族も
一対一でも 多数同士でも
「あっちむいてホイ」に興じている
電波上の 同じ画面を 見続けていた としても
目を合わせることは 禁忌なのだ
抱擁感さえも失い どこ ....
まだ無名の星に
光が差しはじめた頃
静寂な空気の語りと
無重力の宇宙の波動は
無音を破ろうとして
互いに感覚の符号を送り続け
やがて瑠璃色となった惑星に
言葉を招き入れた
人間たちは歓 ....
先細りを予告する山道へ分け入る
このまま進むと人生すら終わるかもしれぬというのに
愛車のアクセルは
足がペダルから離れるのを許さなかった

だから言っただろう
変わらないって

助手席 ....
それが
ゆりかごであれば よかった
あるいは
護摩供養であれば よかった

起きること は
ときに
起こってしまうこと に
すり替えられ
溶けない涙が湧き出し
炎は風となり散りゆく ....
搔くな といわれれば 搔く
掻きまくる むしろ 血が溢れ出すまで
搔き尽くす その痒みが 痛みに変わるまで

欠くな といわれれば 欠く
欠きまくる むしろ 満たされるまで
欠き尽くす そ ....
俺か
って
嘆いて
頭を垂れたか
それとも
土下座したいのか
かつての自分勝手よ

誰に向かう
その冷えた眼の先
湧水の空
荒涼たる雲を捉えようとする矢は

己に滾る赤い涙は ....
粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで

柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容 ....
あのひとが脱皮するのを見た

鮮やか
に細く磨き上げた手
の甲
の上を走るふくよか
な血管
に見惚れた
美しさ
が屈託なく笑う声
に蹴散らされ
刹那
するり
と剥けた

 ....
末松 努(14)
タイトル カテゴリ Point 日付
風雪自由詩518/2/12 9:04
法則のススメ自由詩0*17/4/16 6:41
誰もいない自由詩2*17/4/11 18:02
紅く晴れた夜に自由詩7*17/2/16 21:39
どうしたの自由詩417/2/14 21:07
ジーニー!自由詩6*17/2/9 20:46
あっちむいてホイ自由詩10*17/2/5 15:41
黙らぬはずの沈黙自由詩10*17/2/1 21:53
自由詩217/1/26 22:16
おなじになれない自由詩5*17/1/22 22:19
かけ かけ かけ!自由詩8*17/1/19 18:54
覚醒し、獲得せよ自由詩5*17/1/16 19:33
やわらかに酔わせて自由詩617/1/15 22:05
もののあはれ自由詩717/1/15 18:39

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