あなたが好きなその絵に
いまはもう 何も付け足さないこと
あなたが好きなその絵を
いつも ありのままで受けいれる心
あなたが好きなその絵が
いつかかならず 色褪せていく瞬間に
....
まっ白いスニーカー
土砂降りの雨の日におろすきみ
ぼくのこころ、
ふるえました
おくびょうなのはどっちだろう
長靴履いて
ふるえました
お互い傘も
なかったころ
そう ....
日曜日だもの
景気のいいこと ひとつやふたつ
言いたいよ
どんなに明るい話の裏にも
どんよりしたニュースは
こびりつくから
日曜日だけど
これから仕事のひともあるだろう
だから 決して ....
あなたの頬に触れた指の皮剥いて口に入れると甘く
コインランドリーで千円札を崩す目的で買う定価の炭酸飲料を半分飲んだら半分崩れていく
退屈のカタチに色褪せたジーンズの右ポケットで縮こまる銀河
音のない戦争がはじまる
担架の上できみ、いや、ぼくは ....
まだビニルの臭いがする五体の人形から初老女の指紋を検出するのにそう時間はかからないと男が笑う。
手袋の内側に付けられた粉はパン屋のそれとは大違いだ。
牛乳にクルミを砕いて入れながら、デリバリーヘル ....
よちよち歩きで
私がいなきゃ
すぐ泣きじゃくってた
心が
ときどき
足の裏へ逃げこむ
歩くたび
きしり きしりと
痛む
つま先まで
しびれさせてよ
私の心を
呼んで ....
年に一回会えるかどうかで
素面をまるで見たことがない
おんしゃー飲みゆうかや!
にゃあ!
知っちゅうかや、にゃあ?
猫もこたつを出て行くほどに猫
みかん ....
樹上の葉が
地面の落葉に言った
「下からの眺めは最高でしょう!
こっちは旋毛しか見えません!
何色だったか ぜひとも
教えてくださいねー!」
落葉は咳払いを
ひとつ
上に向って ....
少し疲れている
何かしなくては、と思いつつ
無情にも日は暮れる
「やいやいお前さん、いいかげん
ちっとは力を抜いたらどうだい」
そうやってなだめてくる
どこぞの誰かと
....
「都会にはもう、モグラがおりませんが、
聞きたいと言いながら耳を塞ぎ、
見たいと言いながら目を伏せる、
そんな輩が多いので、
それは土から出てきたモグラなのかと思えば、進化とは悲しいもんだ、な ....
いやらしい小雨降るなか
この集合住宅 ひと部屋ひと部屋の
チャイムを鳴らす配達員さん
今日ばかりはポストが
口をつぐんで 退屈そう
大変ですね、おれの
気遣いのような 他人事のセリフに ....
ワンコインで釣りのくる
牛めしのスクランブル交差点
その中心で
若い女の子は
額に汗を浮かべた
交通誘導員のよう
一方的に響く
「ありがとうございます」
自動ドアだ ....
あなたは無意味なままでいい
僕と同じように
意味不明で正体不明で
呼び名は他人に任せよう
風車を作ったり
壁を築いたりすることにも
僕らは全く以って気を使わなくていい
ただ吹く風でい ....
何かを本気で伝えたいのは
感情がどうしようも
なくなるからだろ
好きだぁああああーーー
とか
腹立つぅうううううう
とか
さみしぃいいいーーーっ
とかね
....
新しく入った子が
社員さんに怒られてた
ぼくはきのう見た
あの子がお局さんに
習っているところを
今しがた怒られたそのやり方は
きのうお局さんに習った通りだった
その子は一言 ....
毎日の
孤独なパレード
今日だけは
素顔を見せてよ
あまのじゃく
あなたがはにかんだ笑顔を
私に向けた瞬間に
人混みで
手などを引っ張るその度に
きりきりと
弓は引かれる
的の中心は広く
くっきりと
「サヨナラ。」の文字
もしも
もしも
....
できれば
ひっくり返すひとに出逢いたい
ちゃぶ台以外をね。
終りを はじまりにしてくれるような
私のB面に気づかせてくれる
アナログなひと ....
水辺の蟷螂のお尻から
にゅるにゅる出てくる針金虫
嗚呼!なんと
こんなところで 詩と自分との、
縮図を 見てしまった!
操るというか
操られてしまう!
お ....
aはbの詩を
パクリました
bは詩を書くために
cの鉛筆をパクリました
cの父ちゃんは泥棒です
cの鉛筆はもともとdのものでした
でもdはeの消しゴムを借りパクして ....
地球が自転する
もももももんのすごい速度で
クラウチングスタート
目を閉じた走者も
今しがた ゴールテープを切って
へたり込んだランナーも
大統領だって テロリスト ....
いっぱい食べてね
おかわりあるから
その薬指から
約束がこぼれ落ちないくらい
いっぱい食べてね
ぶーーーーーーぶっ壊したい
ーーーーーーー学校なんか
ーーーーーーーーーーーーーー ぶぶっ壊したい
....
いつか
きみとぼくしか知らない季節があった。
8月は32日あったし、
クリスマスは2週間くらい続いて、
だいたいが春。
気温だっていつも3度、
高かった気がする。
....
誰にも相手にされない
あなたって
フルーツトマトみたいね、
枯れるかどうかの瀬戸際まで
追い込んで どうなるか
楽しみね、
皮は固くても 甘く仕上がれば
....
リップバンウィンクル
目覚める 焦る
行けるどこへでも
なのに何にも忘れれん
やだね
やだねやだねえ
野次を飛ばして
足組んでビール
自分の ....
函館朝市
いくらの一粒ひとつぶをながめ
つかの間の神サマごっこ
あなたの命おいくら?
熱海
かつての盛り場歩けば
猫がうたた寝る地べたに
あの日の熱がまだ残ってる ....
もう夏はとっくに裏返ったのだが
サンダルの中に入った小石は
まだ取り出せず
ジャンブルの
スクランブルエッグ
気の違えた少年が踊り狂う月明りの下 あきらかに負けたのはこっち
スーツで降 ....
喫茶店で珈琲ぐるぐる
あの日と何が変わったのかしら
心の眼鏡を落っことしたみたいね
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