墓場に集まった猫達が
ズージャ語で聞かせてくれる
フォークロア

酒場に集まった犬達は
薄いビールを呑み込んで
叙情的なぬるい息を
メランコリックに吐き散らす

魂をなくした千鳥足ど ....
うだつの上がらないパンダが
夢を忘れたわたしにくれたもの


彼はそれ以来、シロクマとして生きることになり
パンダであったことはきっとわたししか知らない


わたしは温かい、黒い闇に包 ....
夜の 青いスカートを揺らせて
夕焼けの色した ニットを着て


満月を跨いで

かわいいかわいい 君は

わたしの知らない宇宙へと
駆けて ....
この矮小な世界の
ドア付近に立っていたので
わたしは一度この世界から降りねばならない
何を厭うこともない
のちに改めてやってくればよいのだ

しかし入る隙がすでになく
乗り込むことを拒否 ....
{引用=時よ止まれ}

未だ少年達が眠る森の奥で
狼達の亡霊が悲愴な遠吠えをあげる
彼らを悲しみのうちに留めてしまったのは
恐らく私の責任なのだろう

瑞々しさを失った庭園は
朽ち ....
ついに渡すことのなかった
焼き増しした写真のあなたを切り抜いて
ポール・グリモーの、羊飼い娘みたいに
止まったままの四角の中に
梯子をかけて、あなたを連れて、逃避行する


でも本当は
 ....
一周まわって今時の
君の着る服が、
私の前髪をきれいに揃えようとする

君のきるシャッター音が
あまりにデジタルなので
私は前髪を揃えようと思うのだ


私の肺の穴あなから
ミツバ ....
やはりあなたであったのだ

金魚のように
ひらひらひらりと
わたしの世界を翻弄するのは

あの冬の、最後の空をもって
鍵穴を持たない錠を
解くことができるのは

或いは、時を超越し ....
婆様は星を食う
深く皺の刻んだ麒麟のような手を伸ばして
星をとって食う

婆様たちは星を食う
己に尽きかけた希望を
語ろうと

枕のない寝所を少しでも暖めようと

星たちは小さな虫 ....
たくさんのことをやり残した女が
靴も履かずに街へ飛び出してゆく

わずかに握りしめた自分の価値をなげうって
はだしの心がぼろぼろになるまで
一心不乱に走るのをやめない
ほんの少しの不幸に酔 ....
Sisi(10)
タイトル カテゴリ Point 日付
愚か者達の春自由詩319/4/25 0:19
パンダがくれたもの自由詩119/4/22 3:27
ボニータ自由詩219/4/15 21:33
トロッコ問題自由詩319/3/20 22:31
ある面影の臨終に際して自由詩119/3/19 23:29
羊飼いになりたかった日自由詩119/3/15 22:50
髪を切りにいこう自由詩719/3/14 23:16
冬の熱病自由詩319/3/14 0:49
星を食う老婆たち自由詩316/6/18 14:54
赤い靴自由詩316/6/18 11:56

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