赤い靴
Sisi

たくさんのことをやり残した女が
靴も履かずに街へ飛び出してゆく

わずかに握りしめた自分の価値をなげうって
はだしの心がぼろぼろになるまで
一心不乱に走るのをやめない
ほんの少しの不幸に酔って
青い果実をひきさいて
種を植えては花はまだか
花はまだかと嘆いている

置き去りにしてきた赤い靴
あなたにとてもお似合いでしたのに


自由詩 赤い靴 Copyright Sisi 2016-06-18 11:56:16
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