避けるほど遠去けるほど迫る冬
月くくり手のひらくくり生す子かな
はらわたに指三本のつららかな
むらさきに雨の林を染める笛
....
気を付けよう案外あんたもまだ女
痴話喧嘩眺めてはぼっち飯
口だけで宣言しては華さかせるが喧嘩なり
つかれた時つかれたと言えるしあわせ
別なのに同じ何かが目に遊ぶ
戸惑いを背に押しあてて背を描く
無も壱も那由他も同じ指の夢
頬ぬらす半月の水のぼりゆく
道端の心臓浅 ....
バナナ軸レモン曜日に真っ直ぐに
洗い場にぽんぽんぽんぽタヌキノコ
赤ちゃんのほっぺのまろみ三毛がペロ
君の背のくろいのりしろ押さえてる
プロ級だ ....
{ルビ作為=つく}られた景の醜さ哀しさよ
草むらを燃やす象亀空あおぐ
岩の地図こすりあわせて緑の火
何もない夜ほど明るいものはない ....
洞の実を砂糖醤油につけて呑み
まばたきの遅い一日お茶すする
ひらくたび傘の首すぐ飛んでゆく
弧を刻む光のなかの馬鹿ひとり
とどろ ....
光の背どこまでもただひとりの背
ふところに乖離の会話隠し持つ
幽霊と握手した手に残る霧
光から光を取って花格子
むなし ....
主都
主なきまま
都かな
守都
守って戦って
都かな
取都
捨てて取って
都かな
路傍壁
錆薔薇道路
爪如雨露
子百々目鬼
釣瓶三食
紐葡萄
羽小羽根
榊斑駒
糸土留
崖男
地金加賀染
米野揚
富士富士見
蝤蛑弘 ....
争点など
なくてもできる
解散よ
消費税
延期の是非を
争点化
それぞれが
何が争点か
考える
階段の踊り場ほどき火を編む手
季節さえ知らぬ存ぜぬ{ルビ仮=け}の柱
言葉には言葉の垢の漂いて
{ルビ自身=おのれ}には{ルビ自身=おのれ}を呑む ....
家計しか 念頭にない 一国民
出世しか 念頭にない 丸の内
経済しか 念頭にない 経産省
外交しか 念頭にない 外務省
財政しか 念頭にない 財務省
防衛しか ....
配慮して
譲ったのが
運の尽き
遠慮して
譲ったのが
転機の月
熟慮して
譲ったのが
麗の点き
攻め時は
気合い次第で
ストライカー
キーパーの
裏をかいてく
心理戦
躊躇わず
ミドル連発で
ムード一変
....
次の次
想像しつつ
パスつなぐ
パスカット
ギア上げまくり
速攻速効
俯瞰図で
ゴールから逆算
スルーパス
責任は
秘書やスタッフに
押しつける
「イスラム」を
悪用してゆく
イスラム国
対岸の
火事感覚のまま
エボラ出血熱
支持率が
下がれば争点
ずらすのみ
改正を
経ずに解釈
ロンダリング
「脱法」を
「合法」に変えて
すり抜ける
「脱法」を
「危険」に変えて
取り締まる
権力の
価値より堕落
目立つ秋
心持ち 辛さ加減を 訪ねるよ
熟議なき
決める政治は
淡々と
解釈を
広げに広げ
どこへゆく
安心だ
事故が起きたら
「想定外」
安全を
担保できない
審査とは
裏返し
国内産か
確かめる
動き出す 行方定めて 向かい出す
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【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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