泣かせたくなんかないよね
涙ぽろぽろ流してさ
つらそうな顔なんて
見たくはないよね
....
割れないように電球を回す。
妄想 昔好きだった人 嫉妬 行き違い 冷めた晩御飯
黒板を ....
お線香をひとつつまんで
おばちゃん ごめんねと
ぼくはいった
ごめんね
あら いたるちゃ ....
生きるということはこういうことです
そう言ってせんせいは
聴診器をはずした
....
神様が参観に来ている
オーロラに乗ってやって来た
教室の後ろの方で
子供たちの様子を見守ってい ....
秒針だけの静かな時計
飛び込もうとして
やっぱりやめる
仄かに光って揺らめく水 ....
1 ベランダのアマガエル あるいは セミ
人工石に囲まれた中空にひらひら揺れる緑色の片鱗が ....
様式美も形骸化した愛も欲しくはない。痛みの先に甘美な法悦があると信ずるきみの、石膏製のような鎖骨に ....
おっぱいを百枚描いて冬の暮れ
ボーナスで貯金の桁の増えにけり
忌み言葉の多いスピーチに祝われている
句読点のない手紙が励まそうとしている
身を粉にして何も残らない
七夕ばたばたアブラカタブラ
笹に願いをかけました
みんな仕事ができますように
仕事 ....
{引用=鉄砲がつめたくなりて‥(賢治)}
銃身のつめたさ{注=作者は、銃に触ったことはありま ....
訳の分からない上司に
訳の分からない仕事を頼まれ
クソつまらない一日を過ごし
手取り15万程度 ....
うつくしいことばがのみこめない
ぼくらはもうほんものじゃなくなったというのに
まだわらえ ....
戦士は傷ついていた
胸に深い傷を負っていた
傷口から溢れる透明の血には
誰ひとり気 ....
色の薄いピンクした煙が空を漂っている
この場所は、世界の屋根の下にある火葬場だ
おどろくべきこと ....
比喩ではない 武器を用いて空想を人に押し付け 許された者
罰を受ける幸福をポロスに ....
心に元気がなければ
身体のバランスが悪くなる
何か上手くいかない感じがする
瑞々しい心で ....
誰でもない者たちへ
焼け落ちたこの町で
青ざめた面もちで
永遠の夜を知れ
ガラク ....
今 私の中心に私はいない
好きだった男に 中心を持っていかれて
棄てられたから
私は ....
駅に向かう坂の途中に咲いている朝顔に人形の首がぶらさがっている。天気は訪れる時期を間違え ....
〈幸せそれとも不幸せ〉
辺りが闇に包まれるとそこに尊い神具があったとしても何も見えなくなる。
僕 ....
去る日──
虚空は躁病となって
ルビーの文月が真夏日となった
風と光と雨と土は
....
太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
この病は皆痩せてから死ぬ
ダイエットなんか糞食ら ....
『いつの日か魚になってあの人に食べられることそれが夢です』
海草が足に ....
ヒィ.ヒィ・ヒィ
と短い喘ぎ声をあげると
まだ僅かに動く前足を震わせながら
今はもう土塊と化し ....
波打ち際で花束のような人
野にある姿は幻だったの
手の内を隠して
笑い ....
あれはたぶん、あの世とこの世の境だったんだろう。
夕暮れに染まったけだ ....
いつから
奥歯を噛み締める癖が
ついたんだろう。
こんなにも
....
「太郎」と呼ばれるのは
小学生 ケンカ仲間の幼なじみ
「太郎君」と呼ばれるのは
小学生 ....
エスキモービッグなトリュフに
エクレアモンキーパンチ フル回転
だってせ ユニークなナンバー ....
くそくだらない人の恋路を
特急列車が踏み潰す
お腹の減りすぎた少女の頭から
おかしなアンテナが ....
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