都会には「タテマエ」と書かれた
大きい看板に、ひとりの顔が
ニッコリ営業スマイルをする
....
金曜の休みに出かけた日
終電に近い電車で帰ったら
くたびれ果てたいくつもの寝顔が
ネクタ ....
半魚人
その海には半魚人がおりました。
彼は生まれた時からひとりぼっちでした。
生物 ....
数日前にすっと切った
指の傷口を
ほうっておいたら
裂けた肉と肉の間を
細い血の糸が縫 ....
長いこと同棲を続けていた相手に
大切な話を切り出せずにいた
相変わらず雨は降り続いている
....
酸素を吸うと器官が千切れそうになって
吐き出すことしかできないでいる
冷たさ なんかじゃない
....
世界が未だ夢を描いている頃
君は光を持たずに生まれた
憂いの色褪せた匂いと冷たさ
それだけを持 ....
ホールインワンみたいに
あなたと出会って好きになるみたいに
月と地球と太陽が一直線になる
め ....
もういいや、全部、知ってる
へーほーえーそう。
恋は犯罪、犯罪だあ重罪だあ、すべてをダメにす ....
君がいくつもの言葉を
ひとつの親指で
文字で刻んでいく頃
僕のいくつもの淋しさが
ひとつ ....
少年の真摯
少女の勇気
中尾ミエのファドみたいな歌声
少年と少女の
不穏なノスタルジア
ユ ....
豆乳に三色団子買い求めベンチに座り食べにけるかも
仕舞屋に吾ら三人今日もまた神の御顔を拝み見る ....
人の世の不幸の一つは
ロリコンが絶対に地球上から絶滅しないことである
どんなに
理性的で
....
)捕まえるにはまず肩書きのある壺からはじめなければならない
(畑はうしろから前へと耕してゆく ....
月の周りにくっきり星
あえかなオリオン
お腹にぽつり星ひかる
京浜東北線が
....
光が
薄れ
空が
眠る
時が
凍り
心が
踊る
紅い
月に
....
今よりももっと
陽の当たる場所を
目指して歩いてみる。
しかし歩くそばから
夕闇が背後か ....
一人で生きてくのに慣れて
手の届く範囲の宇宙で笑う
誰だって見ていた景色の中で
自分だけ心 ....
自分が正論と 信じる気持ちは、
周囲の 全否定を 受ければ
脆くも 崩れ去る
自分は弱 ....
国民的アイドルのプロモ撮影のため
とあるアジアの国を訪れた
川でのダンスを踊るシーンは
流れが ....
きのうの映画館でやってるよ
タイムマシンがあれば
そんなこと言って誘えそうだった
....
女子だけが視聴覚室冬の雨
奇術の日スリーサイズを当てましょう
お弁当冷やしますかと ....
比較的に緩やかな様を
眺めている
それだけで言葉に出来なかったことが
伝わったような気がし ....
十年も使い込んだ御飯茶碗を
呆気なく割られてしまった翌日
雑貨屋の食器売場の谷底を
額に不 ....
いつかどこかの私立かなんかの学校で
自分達の可愛がって育てた子豚を子供達の給食で食べさ ....
なにもつたえあわなくても
こころをよせあっている
なにもいわなくても
....
雲がゆっくり流れて
いつもより大きな満月が
空に浮かんでいる
淡い光で染まる心は
柔らか ....
あなたのひとつめの死を現像するための暗室でいくつもの春を指折
り数えていた(宛先のしれない指示語が ....
求めると
ほどける
うつりこむ光をすくおうとした
てのひらに触れるのは
光でなく
....
酔いどれが
月の真下を歩いてら
線路沿い
ふらつきながら歩いてら
ぜつぼうの
冬の星座がぽ ....
水の底で暮らすガラス吹き職人は
毎朝一番はじめに真っ赤に燃える
とろけた溶岩を試し吹きをして
....
からからにかわいた猫とはす向かいぬるくて不味いビールを開ける
背伸びして届かない空、 十二 ....
ここから.ここまでがセスジ部分です。
それよりも
結局は、焼いてしまえば同化する
それが形 ....
33rows, 1.03sec.