金之助
小さい時かかったインフルエンザが元で
鼻茸ができた金ちゃんは
いつも 右の鼻腔が ....
物々交換では 互いに価値観が違い
交渉決裂する場合も有った
故に 取引材料で有る 現金が出来 ....
止むことを知らない汚れた雨は
幾層もの大地のフィルターで
クリスタルな輝きの水に
止むこと ....
行き止まりバラスト積んだ荷車のあり
中三の冬に耳朶刺し安全ピン漿液{ルビ瘡=かさ}がパンクを塞ぐ
高一で曲がりいし次女称号が遅刻の ....
――大丈夫です
マニュアルがありますから
この通りに話せば問題ありません
私は詩人ですよ
....
とけいのは
ぐるまがた
くしーのこ
うぶ
ざ
せきでだ
らしなく
ころが
....
私がもっと器用だったら
こんなに星をみることもなかっただろう
私がもっと素早かったら
こん ....
ひとの定型をさがして
どうぶつのにく
や
しょくぶつのかじつ
が犠牲になっていく
ひとのな ....
死んでも言わない
初対面は気に入らなかったこと
死んでも言わない
意外な一面を見てしまった ....
....
....
八月の空ku-
夏の終わりの空ku-
あなたの眼の中に
嘘は見えない
八月の空ku ....
たわむれが
咲いて、
さい
て
羽のかたちで
だまりこくって
子どもはそ ....
捨ててしまいたいもの
大事に取っておくもの
見たくないもの
目を離したくないもの
瞼を腫 ....
病めるものと健全なものの間を漂う
苦しそうに咳き込む老婆の横で
帰りにデパートで買うお菓子につい ....
今年の夏は暑い
一つだけ
君に言っておきたい
この世で最も静かなものは ....
きっと
鋭角にはねかえったであろう
熱を
うっかりと飲み込む
お腹に、沈んだ
あら ....
ことばの世界から遠ざかってしまったのは
見ようとしても見えなかったものが
見たくないのに見えてき ....
シルバー
とてもながい時が過ぎた
とてもほんとうとは思えないくらいの
シルバー、
それで ....
暑い
湾が茹だって
タコが浮いている
タコ料理ばかりで
何もする気が起きない
みんな葬式も ....
陽射しが肌を焦がしていく
軽い痛みと浮き上がる眩暈
焼け付いた肌に
沢山の汗が寄り添う
....
球体の斜面をすべり落ちると
そこには白い空があって
それはまるで宇宙の塵の如く
浮 ....
以前に営業で地方をまわっていた。
お昼に立ち食いそばでズルズルとやっていた。
あとから若い娘が一 ....
ネックレスをつけるひとの息遣い
ナイフとフォークで
白い雲を少し切り刻むと
青い空がするりと落ちてきた
傍らに小奇 ....
いしきのないところが
はがれていた
まるでせかいに
あながあいたように
....
「海は嫌い、夏も嫌いだし、晴れも嫌い」 僕が何よりすきだった君
わがままな人ほど白が似合う ....
そのかわり僕のなまえを覚えてて 僕がきみを忘れるかわりに
やっと連休か
これで二人で
海に行けると思ったのに
『たまの休みだから』と
あな ....
秋の予感がする夜に
金色の蛾は
星をなぞってとぶ
さみしげにゆれる
夏草の穂に沿って
....
雨が降らなければ
いつまでも踊っていられるのに
御飯は食べられなくなるかもしれないけど
....
いちばんつらい、いちばんいたい
きみがいたのは、そういう場所
わたしたちにできるのは
....
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