狭間
赤月 要
病めるものと健全なものの間を漂う
苦しそうに咳き込む老婆の横で
帰りにデパートで買うお菓子について
考えている
家族に毎日見舞いに来てもらっているののと
長い闘病生活でできた友人に訪ねて来てもらっているものと
自らの足で帰ろうとするものと
引き取られて行くものと
楽しくドラマを見る横で
激しく咳き込んでいる
病めるものと健全なものの間を漂う
いつかどちらになるのだろうと覚悟する
ならばせめて
暑くても
しんどくても
日差しの下を歩く道を選びたい。
自由詩
狭間
Copyright
赤月 要
2011-08-18 21:12:08