? 目覚め
「いい加減にしろよ田中。そんなお前見たくねぇぞ」
今朝も俺を説諭する友人、工藤の ....
俺達のことを誰も知らない
俺達は誰よりも弱い
俺が蹴っているこれよりも弱い
生きているか死 ....
希望の光だった
僕は それを ああ 流れる 何かを 見た
遠くに光り輝く太陽の風の中で
僕は ....
「私」のことを誰も知らない。
植物になった私のことを誰も知らない。
金属になった私のことを誰 ....
溶解炉からゆっくりと流れだしてくる
ついさっきまでなにかであったさまざまなもの
強い ....
炎天下を汗だくで歩いて
デパートに入ったら
ひんやりとして、幸せだった
しばらく涼ん ....
サロモン氏の邸宅は
六丁目の外れに在って
近ごろ稀な和風建築
サロモン氏はインテリ外人
がえ ....
少年の頃
食物をせっせと運ぶ蟻さんを
踏んでしまい
何故か無性に、胸が痛んだ
大 ....
降りしきる、夜の雨に身を濡らし
{ルビ蝸牛=かたつむり}は真横になって
塀に、張りついていた ....
駅のホーム
立つ場所を昨日と変えて
七月の日差しを避けてみた
イキカタヲ、カエテミマショ ....
塔
君はまだ
この街の謎に気付いていない
誰かが言った
この街は誰かが見ている夢で
目 ....
素直がいいって言われて
月に相談したけど
かたちを変える月は
黙って去っていった
明るく ....
駅までの道にはなかった
信じられない
が
ホームでは
ゆっくりと背中を押す
きっと
....
信じられない
から
始まるモノ語り
名作とか偉大とかが
どうにも理解できずに
誰にもな ....
....
汚れている
唾から、
細菌が見つかる
手の平に、
零れ落ちる
ほろほろと役立たずに
....
あなたに
会いたいとしたとき
埃にまみれた軌跡は
食卓に
あがるだろうか
....
むかし虫は友達だった
ダンゴムシ、トンボ、ミノムシ、カブトムシ
モンシロチョウにアゲハチョウ
....
ちゃぶ台の万年筆やソーダ水
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
※
男のひ ....
雨にうたれて
悲しみがあふれそうだとしても
宇宙のからくりは
きっと
こんなふうに言っている ....
洞窟は
たしかに永遠ではないけれど
洞窟で
たましいが汚れることなど
どうして出来ようか
....
雨の日に入る美術館
一回
ゴッホだった
晴れた日に入る美術館
二回
写真展とここだった
....
いのちにあらわれる
きけんなものはいろにあらわれる
おとに
かなしくなるとねむたく ....
伝えにゆくだけなのに
なんでこんなに悲しいんだろう
たとえば愛人の
ドアノブにぬい ....
岩をめぐる路
月もまためぐる
ひとつめぐるたび
消えては現われる
....
昼間の影絵を見つめていた
虫が永遠を啼いている
記憶が引きずりこまれてゆく
風が永 ....
そう、
不確かなんだよ。
君はそう言って
だから何度だって重ねなきゃいけない。
とつよく呟い ....
ポストモダニズムの興隆以降の目的論の否定の論調の弊害は
実に大きなものである。宗教批判の歴史的な ....
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