明日はお見舞いに行くのだ
末期がんで抗がん剤投与も止めてしまった
半年か一年に一度くらいの頻度で ....
俺がどんなに愛していても
おまえをしあわせにはできないのさ
この不器用な渡り鳥
おまえの聴きた ....
鬼界ヶ島へ(ニシン)を満たす、転生ぶった{ルビ炒胡麻=いりごま}。
「タウリンでも良いかな」って、 ....
黒板には白いチョークで円が書かれていた。
その上には12グラムと。
この丸い西瓜を3人で分けると ....
地を這ひて朝日を濾さむ煙さへ越し振り返る近鉄の窓
沈みこむ夕日が意識引き連れて目蓋の内外闇 ....
お風呂から上がると
生き返ります
そのあと水を飲むと
もっと生き返ります
ひだまりで ....
本に挟んでおいた
しおりの行方はまだ分からずにいた
どうしてかな
簡単に人を裏切る ....
よく見知った鳥たちの
生まれる音が遠くから
ここまで
骨がぶつかり合っているようにも思える
....
テレパシーが使えるなら誰も苦労しない、だなんて
痛烈な意見にお腹が痛くなっても
やり場のなさはだ ....
ハロー。ハロー。現在は午前0時。製氷器の夜の始まり。僕の心の灰色に濁る部分が、とろとろと、ど ....
お揃いで買ったTシャツ
いつの間にか色も褪せて
流れ行く時間が
二人を変えてしまったの
ねぇ ....
モヤモヤした昼間の感情
小煩い大人達の小言
見つからない自分の未来
濁り溜まるばかりのエネルギ ....
おれは頭が悪いから
ちょっとしたことですぐに泣きそうなって
女のひとに助けてもらおうとす ....
今日限りのビタミン
祈るように弾かせる
くり抜いた芯は自由で
果肉は砕かれてしまった
水 ....
背中が溶けて痛くなる
「浮腫んだ思いを孕まされたので退職致します」
と言って去った後
首を吊っ ....
明日、明日、明日死んでもいいように
明日死んでもいいように
明日死んでもいいように…
と言った ....
鍵を開けた。
カプセルはわたしの匂いが循環する温室です。
あなたは、靴が足先に汗をかかせるように ....
何だかんだで 何だかんだで
何だかんだで 4年目なんだね
何だろうね この空白感は
何も知らず ....
{引用=かわいちともこさんのイラストから
http://nib-s.org/}
くずれおちる ....
僕らの声がまだメロディであったころ
あの日の伴奏は誰であったか
幾度かの恥知らずな転調を ....
橋脚から電車へと流れる塵
蘇我行き
小さな標識は高速湾岸線
撓んだ架線の下に4つのとぼけた ....
切ないほどに澄み切った秋模様の空が
夏の入道雲を押しのけ始めた
遠くの海で広がる波紋が
砂 ....
象が楽しげにリズムを刻む
涙を流しながら
体を揺らし
少女はあなたに言うのだ
....
関連避け応えた
外気感じなかった
卒倒待ち望んだ
礼拝欠かさなかった
感触見間違えた
....
その路地ふと折れると銀河
上向いて銀河の下で眠る
銀河三丁目十一の四 我が家あり ....
山の裾を ていねいに
両手でならしていた おばあさんの
あれからまた
小さな山が ひとつふえた ....
典麗の色香は、純白の
輪舞する翅が揺れている
{ルビ無言=しじま}なひろがる花弁にぽつねん
シ ....
そらの高いところから
ひとひら
落ちてきそうなよる
くらくしたへやで
ひらこうとする ....
朝まで笑って ずいぶん寝過ごしたら
少し残ったアルコール
きしむ体とあやふやな昨日
....
夕方の風をたぐりよせれば
ほんの少し 冬が見えたようなきがして
全身が震えるような歓喜に ....
せつない系の
お酒をのんで
星降る夜空に
真夜中の
糸でんわ
もしもし
元気?
....
ふりむいた
満月が煌々と輝いていた
ほつれた髪が頬にかかる
月はあまりにも正確な円 ....
洗い物をしていると
流しの窓を雨が叩いた
蛇口から流れる水
あなたへの想い
....
雨音が
わたしの想いを
紫に染めた
だから
許される気がした
クラゲになりたいな
必死に生きたくないな
ぶよぶよってさ
波に呑まれてさ
必死に ク ....
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