まあ、いいか
あんこの味見をしながら
番頭さんが呟く
怖い顔の番頭さんが
甘そうな顔をし ....
真新しいランプで
秋の波を
どこまで照らせるだろうかと
また、
鳴き砂の浜辺で
波泡の ....
とうふの かどに
あたま ぶつけた
だいじな ことば
とびちり きえた
きみの なまえも
....
私の尾骶骨が泣いているのに
誰も気づかない
そんな哀れみを乞うようなポーズをと ....
木枯らしの吹く寒々しい秋へと一歩、足を踏み出しましたね
この“秋”と言う季節は何処か寂 ....
ちょっぴり悲しい思い出です
はだしの足跡を
顔にあてて
影の中の指を
切り取りながら
立ち上がって帰るところ
他人である と認識した先には
何も 残っちゃあいないんだ
引きずって
もがいて
縋って
蹴落とさ ....
ねぇ きみ
聞いてくれるかい
一つだけお願いがあるんだ
もし僕がなくなったら
ただの一粒でも ....
大嫌いだった あの日に
いつの間にか 戻ってきて
掛け違えたままのボタンも
そのままに 走り出 ....
1÷3×3=0.999999999999999999999999999999999999999999 ....
今シーズンは負けてよかった。
そう、思います。確かに悲しかったし、残でしたけど。今のチーム状況的に ....
所在ないよ
この手を加えた物が
少しずつ磨り減っていく
記憶は摩耗して
質感だけを生々し ....
愛は、深ければ深いほどいいというわけではない。そこに執着や陶酔があってはならない。人が求めるのは、 ....
音の水位があがっていく。
沈黙への恐れから振り上げられているのだろうか。
一定の間隔をもって振り ....
疲れは積もりに積もり、
ため息は出るばかり
日に日に苦痛になる
やる事は沢山ある。
3週 ....
終わりなきデジャヴュの牢獄で
嘘つきが細胞を蝕んで
穴だらけ
生温かな雨が溶かす真っ白な天井に ....
くらやみの中
また携帯のひかりだけだ
通りには車の行き交う音が
すこしだけきょうの反省 ....
白川通を自転車で下る
夕暮れが少し濁っているのは
街灯やら電飾やらがうるさいからだ
と、解釈す ....
{ルビ欅=けやき}葉の道の向こうへ落ちにけり
{ルビ百合=ゆり}の木の葉のいく枚か色づきて穏やかならん秋の人達
毎日 走る 音
じじじ
火の 燃える音
そんな日は
海を 見に行こう
旭日の 病気
....
日向落ち日陰落ちする{ルビ欅=けやき}葉の涼やかならん秋の朝とき
十月の昼下がり
ガードレールに寄りかかって
ゆっくり喫煙をすると
内側にある熱いものが
....
ウェブレッド!(おうよ!)
ウェブブルー!(いま行く)
ウェ ....
坂道の途中で出会った
君の寂しそうな 後ろ姿
後ろから抱きつき 驚かそうか
....
熟されてワインのように薫る日々
ひとひ{ルビ一日=ひとひ}を飲みほす人生
男泣 ....
言葉は心と心を結ぶ橋だから
言葉をたくさん知ることと
言葉を多く使えることは
言葉と心が一つに ....
藤岡という御宅ありゼラニウム
退屈が僕を殺す
単純なことほど難しく
複雑なことは解らない
無器用なことを言い訳にしな ....
雪道を滑らないように歩きながら山の寺へ向かう
お姫様が松の木に恋をした伝説が残る谷間
キスをして ....
遮断する
物理的遮断、瞳を閉ざす
遮断する
物理的遮断、ドメイン拒否
遮断する
物理的遮断 ....
盲目の道化がひとり
ごった返す真昼間の往来を
踊るような足取りで歩いてゆく
それを指差して ....
母が二階で
掃除機をかけている
天井が振動
する度に埃が落ちる
右側の窓を
....
ある日我が家が突然停電になった
何の前触れもなくいきなり真っ暗闇に
わあ どうしよう!
とりあ ....
人間の7割は水分で構成されている
バファリンの半分は優しさで構成されている
ジョジョの6割分は奇 ....
あなたの「ごめん」は
伝わってるのに
言い争って
拗ねているから
肩に置かれた手さえ
払い ....
みんなが
「ケツ毛バーガー!」
と口を開けて喜んでいるうちに
人が死んだり生まれたり
した
詩なんか書いてる暇があったら
食器洗って
洗濯
洗濯物をたたむ
たたむと片付ける
掃除
....
しかしまあどうだ今朝のこの赤ん坊っぷりは
何にも考えてない
何にも考えて ....
男ってバカな生き物ね
そんな事を言う日が来るなんて
思ってもみなかったけど
....
わたしがわたしについて考えているとき
あなたはきっと部屋でテレビをみていて、
あなたがお酒を飲ん ....
軽く会釈し、
表情を緩め、
跪いてから、
揚げ足を
「さようなら」
さようならってね
また会いましょうっていう
そんな挨拶なんだって
....
あなたに一番あたしが似合っていること
知っているくせに・・・。
あなたが一番安心できるのはあたし ....
いつかの 最も遠い昨日
空は霞み
遠雷は鳴り
燃えている その姿まさに暁
生まれいずる声 ....
夜に沈んでいくてのひら
蒼い灯りは微かに私の頬をなぞる
くすぐったいよ
くくとないて
泣 ....
ごらん
はらはらゆく、
あれは、
空気から砂地へ
落下してゆく、あれは、 ....
あかねずみは困っていた
今年は{ルビ楢=なら}の実が凶作だった
けれど、それで困ったわけ ....
秋の夜の小宇宙など見つけむと塩と砂糖を眺めたりけり
実に 簡単な方法 石の 狭間に砂 置いて駆け巡る 自分自身 の信号売る 警戒 焦燥の中で 焦燥という ....
日曜日、妻は眼鏡をはずした顔で
ハムエッグとデニッシュブレッドの朝食をとりながら
やつらに全 ....
1.
「また来ます」
先々月のことだったかな
確かに言ったんだけれど
未だに行ってない
先月、行く ....
体のまあるい婆ちゃんが
ぜいぜいと団地の階段を上っていた
通りがかりの少年は
後ろか ....
流れる水を、手で止めても。
いつかは溢れてしまって。
流れる時間を、止めてみても。
やっぱ ....
朝の車の中で
おばあちゃんは
他のお婆ちゃん達に
七色のあめ玉をくばって
僕にもくれ ....
世界は僕たちのなかを
通り過ぎて行った
まるで
ただ通り過ぎてゆくことだけが
世界で ....
仕事を終えて入った喫茶店の夕食前
紅茶をすするカップを置いてほお杖をつき
今日という日を振り ....
ポ タリ
血が落ちて、初めて気付く
君の傷
ね、どうし ....
止めて
教えて
今 僕の胸から手が伸びていて
何かを欲している
空に飛んでいくって
どんな ....
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