喜びは感じる瞬間に過ぎ去り
怒りは容易く身の内に仕舞い
哀なしみは時が経つ程色濃くなり
楽しみ ....
誰よりも早く会社に行きました
「おはようございます」を
誰より早く言いたくて
私のほかには ....
頭ごなしに
叱られた息子は
カスカスのスポンジになっていた
このままじゃ
乾ききってボロ ....
川の浅瀬で遊ぶ
指の間の砂は
気持ちよさそう
身をくねらせて
さりさり抜ける
ゆらゆら ....
忘れてください
それで忘れられようものか
諦めてください
それで諦められようものか
....
生まれたときの高熱でわたしは光を奪われ
音がわたしの全てとなった
新生児室
こども ....
囓る
足の指を囓る
囓る
猫の額を囓る
囓る
柱の傷を囓る
囓る
カレンダーの ....
もう一度 僕のそばで
もう一度 笑ってくれたら
もう一度 輝ける
リビドーをひらく夜の帳が下りる
渇くからだが水を欲しがって熱を感じるの
つかんだ手はもうあた ....
突き出した手に、触れる物はない。
自己の存在。それを確立しているのはこのからだ。
不便なから ....
膝の上 手繰り寄せた流線型に
はしゃいで なまえ描いた あのひ
しがらみは
と ....
愛している
小人たちはパチンコ屋の前で
十時前にならんで神になる
流れていく涙の
キャベ ....
ハワイには四季があるんだぜ
死んでいった
お母さんたちは
特攻する
とつくにの小泉さんち ....
目を霞む薄く輝く月明かり 違うよこれはあなたの光
眩しくて もう眩しくて目を閉じ ....
ひとりでいるのは寂しいねと {ルビM=モラル}な男
夫と別れて寂しいのと {ルビS=シングル}な女 ....
今日コトバにならない
コトバをひろい
あつめるために
カタチとか韻とか隠喩とか
も大切か ....
秋桜揺れる
秋揺れて
風の彼岸を見渡せば
時の遥かに思い出揺れて
塩辛い川面に ....
毎日ゴミを持って帰ってくるから
部屋は散らかっている
大切な写真はもう
埋もれて見えなくなった ....
勇気を出して走ってみた
転んだ
勇気を出して喋ってみた
舌を噛んだ
勇気を出 ....
国語の授業を担当している
教育実習の女の先生
ニキビの後がちょっと残っている
笑顔が素敵な女の ....
愛してるといいたい
立っている
コンコースの中を
知らない笑顔が通りすぎる
ああ!
空 ....
日に日に 日差しは強くなってく
それでも 地球は僕等を殺さない
日に日に 台風は多くなっ ....
秋の夕暮れに
夕日がふたつ
赤く熟した
太陽と
柿の実と
風に揺られて
....
わたしは咲いていた
わたしは咲く
わたしが咲くとき
....
飽きてしまった
褒めるのにも
褒められるのにも
飽きてしまった
幸せにするのにも
して ....
喧騒の中居場所を見失って
泣き出しそうになった夜
空を見上げてそのまま
星になりました
....
箱舟に大事なものを詰め込んでさあ逃げだそう僕らは罪人
嵐の夜沈む世界の直中でフォークを翳そ ....
ぼくの中で
ぼくが叫び声をあげた
痛々しくて
悲痛なまでのその絶叫に
ぼくは
なんだか ....
なにげない空
トスカーナは
ミケランジェロのブルーに
染まる
叶わない夢
中世の
....
朝おきて、虚脱感に襲われていた
恋人と別れる夢を見たせいだ
恋人の飼ってる犬が ....
一 うろこ雲 雨が来るのを 知らせに来
二 夕空の 空気にとけて かきあかね
三 ....
麦色の夕方に
夏は死んだ
その致死量の傷口をさらに広げるため
強い風が吹く
夏の屍骸
それ ....
愛されなければ 生きて行くことができません
誰からも 愛されなければ 生きて行くことが
でき ....
着慣したる父の背広ひろげれば 知らぬ匂いの蝶が湧きたり
ぷぷちゃんのつぶらな瞳が
踊るように歩く
青の裾野を
静けさを流しながら
口笛を吹きながら
....
不思議な気持ちで目が覚める
隣で眠る猫を押しどけて
その向こうの背中に手を添える
上下 ....
手の上の蜘蛛が去ったあとで
いつ付いたのかわからない傷を
....
私の大好きな二人が
木蓮の詩を書いていたので
私も書こうと思って
毎日 家にある木蓮を見に行っ ....
タイセツなヒト
が死んでしまった
ケムリはまっすぐに
ソラにのぼっていった
タイセツなヒ ....
七月の雨、
アルバイトの休日、
自らの髪をかきあげる。
爪から指の間に、流れる。
部屋には、 ....
駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目 ̄ ̄ ̄Z___ェェェッッッ!!!!
手から何か出ないも ....
大それたことは言いません。
「あなたのためなら死んでもいい。」
そんなことは言えないけれど、
....
子供のころは簡単だった
青いクレヨンで雲のかたちをくりぬけば
それが空だと言えたけど
....
憎悪は森が
憐憫は人が
ひびくは草
ひびくは草
草の風紋
草の風域
....
君は君なりに独自の進化を遂げ
僕は 僕独自の進化を獲得した
形質レベルでも能力レベルでも
僕た ....
浅い夕闇をきりさく
白と赤の急行電車は
あたたかい愛情と
あわい思い出と
あかい空っぽの
....
聞き分けがよすぎる君に甘えてる「それは嫌だ」と言ってもいいよ。
“わがままで、少しエッチでおも ....
それは雪で作られた花だった
夏の日差しの中
何故こんなものが存在するのか
それは美しく不可思議 ....
夢をみた
闇から明けた事実を感じさせないほどの朝日の中で
夢をみた
夜の幕がおりたことに気 ....
今 長針という男と 短針という女が
愛し合って 一つになった
12時間に一度の快楽
....
響かせて 声を
聴いてね 声を
私ぜんたいで声になって
あの透き通ったところまで
....
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