{引用=私イコール作者だと信じる純朴な読者は、読むな。}
夫のいびきが隣の寝室から聞こえる ....
愛している
と
伝えたかった
でも
そんな重たい言葉を
口にしたら
すべてが消え ....
つづかないこえ
いろのちがうくろ
よみおえたじてん
ゆびにおもいかんかく
いしきにのこる ....
人は誰もが
{ルビ完=まった}きできそこないであり
どこへ行っても人の輪へ入れば
金曜の ....
不幸の影が忍び寄っても
俺様は百獣の王ライオンだから
気づかない振りをしている
とりあえず今は ....
縛られた過去に引きづられて
過去に縋りついて過去に壊されて
過去は昔の過去は
もうどうでも ....
「わたし、これから先どうしたらいいの?」
買い物をおえて帰宅し、ホッと落ち着いた瞬間のできごと ....
あまい声で
怠惰を呼んで、呼んで
とおく、遠くを見つめたまま
しだれたしっぽを揺らす
羽虫を ....
静かすぎるよって
背泳ぎをしながら呟いてみると
空には立派な
夏らしい雲
陽に焼けた
男と ....
蝶がフワフワ浮かぶ。
きっとあの蝶は自分の影が恐くて
降りられないのよ。
だってそうじ ....
私の
二本の足は
何のために
あるの
明日へ
歩き出すために
あるのなら
あなたが
....
会いたい
君に会いたい
今、君と俺との距離は広すぎる
いつの事だろう
かつては近くにいた ....
憂いの水と燃ゆる火を掻き回し
ドレスのような水蒸気を立ちあげる
もくもく もくもく
デジタ ....
恋人よ
その安らかな寝息をまもれるのか
わたしは
同じ所に{ルビ止=とど}まっていられない
....
「レーゾンデートル」
大人の言う
規則って奴
だいっ嫌いで
夜の街を駆け出した
腐った街から ....
軽自動車に乗って
旅に出ちゃった人がいて
その後の消息も不明だから
湿っぽい布団に寝転がりなが ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏
逝く春の背中押しつつ背中からはじま ....
知らないホテルの片隅で、
丸くくるまって君の寝顔を見てる。
ひとりで ....
窓から窓のかたちの風が来て
わたしの前に箱をつくり
ゆうるりゆうるりまわりながら
....
中庭の水たまりにうつる青空
病の中の夏
幼さと歯ぎしり
....
心のどこを探しても、
怒りも憎しみも憎悪もない。
それとは正反対の感 ....
なにかやりたい
なにもできない
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。
その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるは ....
真っ昼間の北新地を歩くのが好きだ。
北新地というのは、大阪キタの高級クラブやスナックがひし ....
歯茎を剥き出しにして吠える
力いっぱい命を賭けて
八方塞がり敵の山
味方をつくってはいけま ....
君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
....
私の胸には
いくつか
ほくろがあって
それを結んで
星座にすれば
あなたは
気付 ....
お遅うございます。
夜ですね。
昼行性の私達は眠る時間です。
今日も一日しっかりと体を弛緩させ ....
こうやって
ただひとつのことを書きたいときも
あっていいね
氷の上は怖いが温かい
割れな ....
今は迷子
ここで迷子
あなたの隣で迷子
なんだろう
なにかしら
....
そうだね、鎖骨は折りたくない
みんなそうでしょ、って
さびれた駅の階段を
がらんどうな夜を ....
夢も希望もありふれている
嘘も現実もありふれている
失意も絶望もありふれている
不幸も幸福もあ ....
ひがしのそらに 夕焼けをみた
まぼろしだよ、と
ひとは笑う
からんと音をたてて
百円玉が ....
カブトムシが
プラスチックケースの壁を
キィーキィー引っ掻くころ
わたしは
初潮の頃 ....
最初はピアノ線で それから
徐々に見えない糸(Invisible Thread)に
慣れてきたら ....
いままで
夏が来ても興味のなかった
スイカが
無性に食べたい
ありふれた
....
とじた貝は
まだ開きません
しばらくそのままに
とても
とても周りがうるさく ....
どうしようもなく どうしようもなく
置き去りにしたアルマジロ
ただかたくなに閉じこもるだけしか ....
日本の現代詩の中で散文詩の占める割合は、無視出来ないほどに大きい。ある程度名のある詩人たちのうちの ....
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