小さな手に握られた指が
離せなくて
ずっと寝顔を 見ていたい
不思議な感じ
....
歌うとき体はかたしろになる
曲が持つ色とりどりの魂のうつわ
声は白く脆い粉砂糖で出来た薔薇の花
....
磨きたての線路が
最初に摘み取るのは
車輪が裂いた
誰かの手向ける
紅い ....
貴方がいつも、削っていたのは
なまくらな、ナイフをつかってだったので
しろい、神経線維は毛羽立っ ....
ある日僕は旅に出た。
みどりの扉をくいっと開けて、とにかく荒野に出てみた。
荒野には、野菜が植え ....
糸を
たぐりよせて
より込んで
野生の木の実で、木の皮で、灰汁をつかって染めていた
貴方 ....
なぜでしょう
夕闇が迫るにつれて
僕の心は
空っぽになるんです
まるで
....
大丈夫です 治りますよ
主治医に告げられたその夜に
またしても僕は
開けてしま ....
今日、頭の中でブラウン運動が起こっている不快感に耐えつつ、いそいそと道を歩いた。爪先ばかり見ていた ....
知らないはずのない街でつぶやいて
信号がいちいちぼくをおしとどめる
かろうじて左手はまだ
....
打てば鳴りそうなこんぺいとうに
いつかの夢をぶらさげました
眠れぬ夜に凍えても
....
土曜の夜はカレーだった
カレーを食べながら全員集合を見る
土曜は、カレーで、ドリフだった
....
昔
無、貸し。
告知
濃く、血。
時間
痔、感。
名前
生、餌。
....
私は少し、いや、だいぶ母親に依存していると思う。
世間的にいうマザコン(マザーコンプレックス)だと ....
開け放たれた音楽室の窓から
合唱部員たちの歌声が聞こえる
放課後、行き場の無い僕らは
校庭 ....
冬
風が商店街の路地で
空から見れば沈殿している
バス停からそれを眺めて
タバコ ....
海岸沿いに露出した三十年まえのゴミ山のうえ
新しい嘆きがそっくりひとつ捨ててあった
壊れた自転車 ....
さよなら愛する人よここは窮屈だと思っていた
時間の調べに乗せてもうちょっと辺りを見回してみようと思 ....
父が、言いました。
『お前なんかもう要らないよ。』と。
妹が、高校に通うために、父とボクの住む家 ....
春泥が
明るいインクの
滲み、です
その滲みが
無意識に漏れる
芳香、です ....
キスをする
あ。
....
あごひげを伸ばしたのと
時を同じくして
仕事でミスをしました
ひげに養分取られてるんじゃな ....
僕は好きな池のほとりに
一人たたずむ
その昔
美しき姫が祈りを捧げた池
氷の ....
よーい、ドン!
じゃないけれど
私の朝は
いつも慌しい
目覚ましの音を
5回くらい聞い ....
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