朝と夜と夕方に
光 七清
貴方がいつも、削っていたのは
なまくらな、ナイフをつかってだったので
しろい、神経線維は毛羽立ってしまって
ふわふわというよりは
ばさばさと毛羽立ってしまっていて
たまの雨がとてもとても
よく浸み込むのだった
いま僕が使っているのは
切れすぎるナイフ
なめらかになめらかに
刃をすべらせてそぎ落とす
ふわふわというよりは
ばさばさの毛羽立ちもまとめて
きゅっときゅっと
そぎ落としてしまって
たよりのない
半とうめいの芯だけが
天井に向かって伸びている
ずいぶんと勢いよく、けずったものだとおもうよ
しろくって滑らかに削られた
巨大な繊維の上に
血がぷつぷつと
滲みだして
伝って、あふれて、とまらない
自由詩
朝と夜と夕方に
Copyright
光 七清
2004-03-23 23:01:55
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