いちめんのなのはな
佐々宝砂

またはドキュメント夕食時の佐々家。

夕暮れのテレビ・ニュースで
菜の花畑が写る。
「いちめんのなのはな」
とわたし。
「純銀モザイク?」
と夫。

さて。
いつものように。
バトル開始。

「ゴメンのなのはな」
「ラーメンのなのはな」
「ソーメンのなのはな」
「タンメンのなのはな」
「担々麺のなのはな」
「チキンラーメンのなのはな」
「カップラーメンのなのはな」

「もう麺類はやめよう」
「うん」

「ラシャメンのなのはな」
「仮面のなのはな」
「鬼面のなのはな」
「能面のなのはな」
「仮免のなのはな」
「罷免のなのはな」
「図面のなのはな」
「水面のなのはな」
「地面のなのはな」
「海面のなのはな」
「平面のなのはな」
「海綿のなのはな」
「アーメンのなのはな」
「情緒纏綿のなのはな」
「四角四面のなのはな」
「X−MENのなのはな」
「木綿のなのはな」
「イエメンのなのはな」

ちょっと沈黙。

「シクラメンのなのはな」
「クォーターメンのなのはな」
「ツタンカーメンのなのはな」

また沈黙。

「オーメンのなのはな」

さらなる沈黙。

今夜はわたしの負けでした。


未詩・独白 いちめんのなのはな Copyright 佐々宝砂 2004-03-24 23:30:58
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