あららのあ
佐々宝砂

またはドキュメント晩酌時の佐々家。

夜のテレビの紀行番組で、
アンダルシアの風景が写る。

「アンダルシアって、アではじまってアで終わるね」
と夫。
「そうだねえ」
とわたし。

というわけで。
いつものように。
バトル開始。

「アジア」
「アルジェリア」
「アメリア」
「アルストロメリア」
「アザレア」
「アルカディア」
「アカシア」
「アリア」
「アクシア」

すこし沈黙。

「アセアニア」
「それはオセアニアでしょう」

若干の沈黙。

「熱いココア」
「そんなんあり?」
「ありにしよう」
「じゃあ、赤いコア」
「アメリカをポア」
「アウシュヴィッツ・ショア」
「恐ろしいなあ」
「じゃあかわいく甘いフリージア」
「新しいスコア」
「アセトアミノフェン・フェア」
「なんだそりゃ」
「アセトアミノフェン頭痛薬の大安売りなの」
「じゃあアル中・キング・リア」
「アルツハイマー・キング・リア」
「あさってのスタア」
「アデノイド・ドア」
「そら意味がないよ」
「なくてもいいじゃないのー」

ややながい沈黙。

「蟻専用チェア、あなたはナイトメア、あきらめのエア、明日のジョア、アホなピュア」

今夜はわたしの勝ちでした。


未詩・独白 あららのあ Copyright 佐々宝砂 2004-03-25 17:55:45
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