都会の蜃気楼
こめ

もう都会は

もう蜃気楼しか見えなくて

本物のか現実か分からなくなっているよ

マンションから吹かれるつむじ風に

冷たさを覚えた

誰もいないプールサイドで

服を着たままでプールに飛び込んだ

真上を見れば

月明かりのカーテンがさしこむ

未知の世界が拡がり

そこはもうプールではなく

異世界とかしていた

ゆっくりと時間は流れていき

血液の流れが体にも伝わってきていた

未知の世界の中で

迷子の妖精が

ヒラヒラと舞って道を尋ねてきた

僕も知らないから一緒に捜してあげるよ

路地裏のゴミをあさる

黒猫がこちらをにらみつける

都会はもう汚れきっている

現実と妄想が重なり合い

やがて破壊を生み出す

この衝動は消せない

破壊の連想が鎖のように繋がって

未来に思いを託しながら

いちとゼロのデータとかして

運ばれていく



自由詩 都会の蜃気楼 Copyright こめ 2006-05-19 17:57:47
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