青い橋に彫った相合い傘
こめ

行き先も分からず

街の静けさに寒気を感じた

君と手を繋いでわたった

青い橋は壊されていった

いつもお金のない僕らは

一日の大半を散歩についやし

この青い橋の上で

お互いの気持ちを確認しあい

互いの思いを分かち合った

夕暮れに溶け出す景色に

感動し涙を流し

ふたりで一緒に歌った

思い出の歌や

互いの愛、思い、気持ち、感覚、心、その他

かずえ切れないほどの

思い出が橋がこわされていくにつれ

瞼の裏に焼き付けられていた

君の笑っている顔は

いつしか悲しみで満ちた泣きじゃくった顔になっていた

君のせいじゃないよ

全部僕のせいなんだ

だから何もできなくてごめんね

君と過ごした日々はもう戻らない

君といたずらで青い橋の手すりに書いた

君と僕との相合い傘は

もうなくなっちゃったよ

今君はどこで何しているか分からないけど

僕はあいからわず元気にやっているよ

君とふたりで撮った写真の

君の顔はマジックで消されている

もうあの日のまま君を

追いかけ走り

あの日の君を抱きしめたかっただけなのにな


自由詩 青い橋に彫った相合い傘 Copyright こめ 2006-05-10 19:23:41
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