闇の中行き先も分からなくなった愚かな迷子人
こめ

ゆっくりと時は流れていく

時間は永遠の旅人とだった

月明かりが妙にまぶしかった

小さな子供たちが

はしゃぎながら僕の横を走っていった

僕にもこんな時期があったんだなと

そしてひとりぼっちだったんだっけと

思い出した

僕のポケットには

あふれんばかりに

思い出が詰まっていた

どれも大切な宝物だった

もうすぐ明日がくる

僕にはもう何もしなくて良かった

公園のベンチに腰掛け

電灯の明かりに蛾たちが集まっていた

僕はひとりぼっち

この闇の中

行き先も分からなくなった

愚かな迷子だった

僕の体どんどん冷たくなり

等々氷より冷たくなった

心さえ冷たい僕は

辛い世界を否定しながら

自分の肩をだき

ひとりぼっちのまま

誰も知らないまま

泣いていた


自由詩 闇の中行き先も分からなくなった愚かな迷子人 Copyright こめ 2006-05-11 20:15:13
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