空。
青色銀河団

いまでは
図鑑の中でさえ
誰も見たことがない
まっかな空だよ。
太古の昔の
大きな空だよ。
空をすっぽり覆う
まっかっか。

ねえ
愛してるって
野原のまんなかで
誓える?
きみは
神経質で
ちょっと青っぽい
造語が得意な
女の子。

うれいを
秘めるためには
少し体を捻るのさ。
顔のうつむき加減がちょっとむずかしいし。
練習の鏡には
月が貼りついてしまったし。
もう
ふるい戦争は
おしまいになりましたとさ。

ねえふたりして
鏡のなかを
素足で歩こう。
左手には
きみのかわいい右手
右手にはもらった
レモン齧りながら。

光の加減で
花びらの冷たい部分が
ときどき
見え隠れするね
でもそれも
黒い夜にまぎれてゆくから
きっと平気だよ。


未詩・独白 空。 Copyright 青色銀河団 2005-12-15 01:32:35
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