馬鹿
チアーヌ

頭上からガンガンと大音声が響いてきて
見上げれば汚いトレーナーを着た中学生の兄弟
階段を上がって来いと言われ
戸惑っていると
「お母さんがいるから大丈夫」
と双子にしか見えない顔で言う
右は青で
左は緑
目の色は茶色と白
牙は生えていないけれど爪は尖っている
どこからか肉を焼く良い匂いが漂ってくる
わたしの旅はまだまだ続くはずだから
ここで階段を上がっていいのか不安になる
心がざわざわとしてきて
地面から棒が次々と突き上げられる
ずどん
ずどん
ずどん
耐えられず階段を上がって兄弟の部屋に入ると
あっという間に強姦されてしまった


自由詩 馬鹿 Copyright チアーヌ 2005-12-04 12:34:05
notebook Home 戻る  過去 未来