ほたる
LEO

ヒグラシの声も静まる頃、田んぼの畦の草むらあたり蛍を呼ぶ声響きます。
星明りは天の川、さらさらと聞こえるせせらぎは昼間に遊んだ川の小さな流れ。
夜露がひんやり白い足首を濡らして、浴衣のきみと浴衣のわたし蛍を追って行きました。
光る蛍は地上に瞬く星のよう、そっと手の平で包んではきみの小さな手がぽっうっと浮かびます。

ガラスの瓶に数ひきの蛍の灯かり枕元、ずっと眺めて夜は更けていきます。
蛍となってふわりふわり夢の中、輝いては消え‥消えては輝く夢を見ました。
醒めた朝に冷たくなった蛍が瓶の中、二度と光ってはくれませんでした。


子供のころ、蛍がたくさんいて当たり前の風景と思っていました。
もうここ何年見てないな‥。
カレンダーに描かれた蛍の絵を見て子供の頃を思い出しました。


未詩・独白 ほたる Copyright LEO 2005-08-06 01:43:40
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『思い出』