木の葉の舟に乗って
銀猫



突如現れ行く手を阻む

急流の渦に


巻き込まれぬよう

さらわれぬよう

細心の注意を払っていたのだが

この淀みにはちょっとお手上げ



けれど

もっと流れに乗って

海を目指さなければならぬ




何故にこんな小さな緑の一片を

舟と選んでしまったか

今となっては定かでないが




とにもかくにも

海に着くまで僕の舟



半分は時の運

半分は汗と涙と




流木に追い越され

滝に飲まれるであろうこの先も



僕は舟を捨てない







いつか大海の片隅から

世界中に向かって

人生を叫ぶために




声が枯れるほど

人生を叫ぶために






自由詩 木の葉の舟に乗って Copyright 銀猫 2005-08-03 20:53:05
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