22の初夏
クローバー

一人称は怖ろしい
野イチゴの時期が終わりを迎える
サツキの花が申し訳なさそうにしぼんで
紫陽花が幼児のような色をして準備している
時計の咳が聞こえる
ウグイスが鳴いている、練習不足のとき
人は箱に向かって歩いている
化学反応、人が人に出会う
いじめっこが学校の先生になるという
梅雨前線がイライラと北上する
キャミソール、ハンカチ
人は箱に向かって歩いている
いじめられてたのは
初恋の女の子
人と人との化学反応。
子供だった。
先生をただの人とは知らない。
おいで。と言えば
逃げ
どっかいけ。と言えば
近づく
僕は知らなかった。
一人称は怖ろしい
女の子は
さようなら、をうまく発音できない
時計の咳が聞こえる
いじめっこが学校の先生になるという。









未詩・独白 22の初夏 Copyright クローバー 2005-05-28 22:14:51
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