気ままな指先
クローバー


救うという傲慢さで
正面から溶けてしまいそうな
邪魔くさい解釈を弄くって
弄んで、分解してくっつけて
ひっぱってひん曲げて
心臓の一番近くにぶら下がるブローチにしてやる
こっそりと火薬を仕込んであるから
死にたくなったらいつでも
救ってやる。



救えない神様が僕の隣で
誰のものでもない神様が僕の隣で
救わない神様がスクワットで
僕は何も救わないことを約束する
僕は誰も救わないことを約束する
僕は僕を救わないことを約束する
神様は隣に、いつも誰のものでもない
神様、あんたは救えない、誰も救えない
あんたはいつも誰のものでもないから
救うという意思を持てない。





(ここでもし、愛、と言ったなら
 私は貴方を嫌いになれると誓います)

スタンドプレーに沸く
そんな熱じゃ、3分で食べものにならない
割り箸のような拍手に
正直、排水溝は気が滅入っている
トローチを噛み砕くのは止めなさい
それは、おいしいキャンデーではないのですから
そんなことされるために
生まれてきたのではないのですから。





やはり足りない、私には言葉が足りない
ノックせよ、我が空
ダイヤモンドの中心で息をしているようなもの
酸欠
ホシが白く降り積もる雪の花の桜の
約束の固ささえ、息の根を止める
綺麗なものでさえ、生き物を住まわせない
大事に思う、爪を噛み千切って
なんなんだと言うのか。





めはーっと叫んでありえない方向に首をひねる
驚異的奇跡を目の当たりにしているのだよ
まっしろ、理想と現実の狭間で消滅してしまう自己が
あるのなら、そいつこそ、あんたのあんたである所以
失せる瞬間にこそ、胸を掻き毟る
体内での息苦しさを
失踪している感情を、掘り起こしている。
だだ、枯れた井戸がある
そればかりだ。




未詩・独白 気ままな指先 Copyright クローバー 2005-04-10 21:48:02
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