わかったことの一つは、わからない、ということだ。
そんな気持ちはわからない。
わからないままにしておいてはいけないと、ずいぶん悩んだものだが
今は開き直っている。
わからないまま、そんな考えもあってい ....
「血液さらさら」
「新ものあります」
木製の箱にはそんな言葉が書かれている
値段も、種類も無いが
それがタマネギで
おおよそ100円玉数枚の値段であることがわかる
前者は、季節と血液がさらさらになる、 ....
グリーンサラダ緩やかに飛翔
土筆の連隊、以後、お見知り置きを。
ふきのとうの視線が、一斉に動く
その先には、すずめ鼓笛隊
移動しながらラッパを吹く
朝、夜との別れ
ハローハローハロー
オープン、オープ ....
川辺に桜が植えてある

川は3面張りで、
つまりは底まで、コンクリートで
でかい溝、と、かわらなくなってしまった
春になれば、オタマジャクシとメダカが
夏には、蛍が、秋には、蜻蛉が、居たはずだった。
 ....
風には、小人が住んでいる
足下は悠々として、涼しそうである
公園で、自転車を漕ぐ
膝関節に続く曲線は、
数式で表せそうなほど美しい。
遠くに、雨が降っているのが見える
大粒で白く
僕は濡れずに立ってい ....
名前を知りません、
ごめんなさい、と言います。
花を花と言います。
しかし、君には、
きっと、それなりの名があるのでしょう。
僕は、君を表せません。
散歩をしていると、思うのです。
なんて少ない言葉で ....
少年は、チョークを手に持っている
軽石かもしれない

壁に描くのはいつも、目。
みゃぁ、と鳴く、猫の、みゃぁ、と鳴かない部分。

少年は、いつも日が暮れる前に帰る

煉瓦の、壁には、破れかかったポスタ ....
木立には
そう、夕闇がたっている
じっとして
僕じゃないものが
僕よりも、もっと素晴らしい中身が。

小さく膝を抱えるのは、
積もりつもった、
過去視の、少年
くくるるどどう
小声で鳴いている
行儀良 ....
薄暗い部屋の中で
与えられたものは
桑の葉、でした。

退化した前足では
木にしがみついて
いることができず
放たれれば、すぐ
落ち、ほぼ全滅。
家畜化された、虫
成虫ですら飛べず
大人のくせに、虫
 ....
底辺まで下がっておいで
駆け抜ける前にさ
情熱はくすぶっている
くすぶるのも忘れている
悲しみは腐っていく
そりゃそうさ
もてあそびすぎた
だろ?

消えないで灯火
そうやって願っている
月はまだ見 ....
崩壊という曲
アイデンティティが浮遊する
そっと言葉が死のうとしている
美しいものってさ
もっとこう、強いもんかと思っていた

生き急いで、
眠ろうとしている
唇に孤独とか
触れないで。
端末はまだ ....
箱の中では穏やかに背骨が、軋んでいる。
ステップが、蔓延っている。
数えなければ
白い靴を。

方々には、神が住み
中央にも上にも名前が、織られている。

知らぬ。
収集家は言う。
言葉を
人を
心 ....
あちらのお客様からです
と言われ、差し出されたものを見れば
それは見事な、ヒトデ
ごつごつして、海水まみれで、
こんなものくれるくらいなら、タオルもつけてくれよ
と、あちらのお客様を、にらみつけたり
 ....
毛糸の帽子と手袋を
じっと見つめる
星が、やがて、遠くにあるのだと
気がついたあのときのように
手は、空をきる。

映画館まで行かなくても
と、レンタルショップをうろつく
一人、彷徨く。 ....
世界にはこんなにも海ではないものがある。
愛していると、言ってくれる誰かを捜している
愛していると、言っても問題ない人を捜している
ふとしたときに、それは、睡魔と悲しみの差がないとき
宇宙の始まりを考 ....

手の内に隠した、種を、気づかないふりしていてあげる

それが花になって、誰かを笑顔にするなら。



膨らんでいる、と君が言ったから
目を凝らして、枝を見た

そうではない、と気づくまでは、もう ....
回転する音がしている
空腹からは逃げられない、生きていること
そして、自由ではないこと、を知らせる音

猫型ロボットは、おなかに、宇宙を張り付けて
いつだって空っぽで、そりゃ、空腹だろう
空飛べるな ....
「僕は手紙を書いていました」
「そのときは、眠っていた、と思います」
「彼女に聞けばわかるよ」
「オリオンを見ていました」
「寒かったので、缶コーヒーを買いに」
「人間は皆、樹に縛り付けられ」
「え ....
僕らはちょうどこのあたりで生涯初のキスをした。
ムジカ、声がする、気がする
半透明な△を押す、あのときのように
村の集会所のまんなかで、
チン、と音がする
扉が開いたのだろう。

ムジカ
神に捧げるた ....
背中が痛い
言葉を押し込めすぎた
そう言うと、男はその場にしゃがみこんだ
医者は、風邪でしょう、と
カルテに、片手でドイツ語を走らせながら
すこし、体調を崩されて、体が重いのでしょう、と言った
処方 ....
佐鳴湖公園を散歩する
背の高い街路樹がカーブを描く
一点透視で並んでいく

それは、メタセコイヤ
杉科の樹で化石にもなるほど昔から、
変わらぬ形をしているのだという
背は、20mほどになろう
何十本 ....
抜け道を勇猛果敢な鳥が空の刀へ
腹の曇天を裂き明日へと逃げていった。

だれもいない
君の言葉にはもううんざりだと言う人も

靴ひもを結べ、
それが君の手

裏道には、ガラス瓶の猫
迷惑そうに、ぎち ....
君に、言えずにいる言葉がある
と、僕は思っている思っているけれど、
言えずにいる言葉が何かを忘れている

ホチキスは、どこにあるのだろう
動物の名前だったような気がする

君が留めようとしている紙束 ....
ゆうえんちと呼ばれる公園で
片足だけ長靴でいるような、心細ささ
少年、と、声をかければ
それが、少年だったのかも曖昧になる

雨の夜、街灯の下、秒針のない時計
錆びついたトタン、くすぐりのような失敗 ....
最近ずっと夕焼けを見てない
柔らかな雨が頭に響いて痛い
稲光を何だか遠くの星の出来事のように聞いていた

知識の詰まった紙の束は
三枚の銀貨と交換された

片手におさまる一個の世 ....
一人称は怖ろしい
野イチゴの時期が終わりを迎える
サツキの花が申し訳なさそうにしぼんで
紫陽花が幼児のような色をして準備している
時計の咳が聞こえる
ウグイスが鳴いている、練習不足のとき
 ....

救うという傲慢さで
正面から溶けてしまいそうな
邪魔くさい解釈を弄くって
弄んで、分解してくっつけて
ひっぱってひん曲げて
心臓の一番近くにぶら下がるブローチにしてやる
こっそりと火 ....
下り坂は
南を向いていて
西に緩やかなカーブを描く
早朝
陽の当たる坂道を
桜並木のある坂道を
幼い彼は箱を抱えて歩いていた
簡単な恋をしていた
簡単な悩みもあった
け ....
廃材が高く積まれている
探している
落としてしまったのだ
もしくは間違って捨ててしまった
手に取った
折れて錆びたナンバープレートには
誕生日の日付が入っている

やたらに高くごちゃご ....
 偏頭痛の片隅で
 子供が
 膝を抱えている

 いつかの子供

 立ち上がってもらわないと
 そこは
 一番痛みがひどい

 僕は手を伸ばす

 知ら ....
クローバー(161)
タイトル カテゴリ Point 日付
わかることわからないこと(2)散文(批評 ...4+*10/4/13 0:03
わかることわからないこと(1)散文(批評 ...1*10/4/13 0:02
 The march in March (春について4)自由詩2*10/4/1 23:32
川辺に(春について1)自由詩2*10/3/31 23:17
風には(春について2)自由詩3*10/3/31 23:13
名前を知りません(春について3)自由詩5*10/3/31 23:09
猫の目自由詩3*10/3/7 23:35
胡桃自由詩3*10/3/3 22:35
かいこ自由詩2*10/3/2 23:36
風に舞う雪を見ている自由詩2*10/3/2 21:52
窓、全開自由詩1*10/3/1 22:21
方々(空の眺め方)自由詩0*10/3/1 22:07
あちらのお客様からです自由詩6*10/2/14 22:02
おひとり戦記自由詩3*10/2/12 21:47
ホテル・リグレット自由詩2*10/2/9 21:08
魔法自由詩3*10/2/1 21:43
少しだけ不思議自由詩0*10/1/28 21:48
くものせい自由詩0*10/1/28 21:08
エレベーター・ミュージック自由詩3*10/1/28 21:02
これほど美しい悲劇を見たことがない自由詩1*10/1/21 20:44
散恋休自由詩2*10/1/19 20:49
 passage自由詩1*10/1/17 21:18
恩送り自由詩4*10/1/17 0:59
僕らはたまに自由詩4*10/1/17 0:51
化石考察(事実のない個人情報)未詩・独白12*05/6/6 22:21
22の初夏未詩・独白3*05/5/28 22:14
気ままな指先未詩・独白4*05/4/10 21:48
陽採り未詩・独白10*05/4/10 21:02
ネジ未詩・独白2*05/4/5 23:13
&&未詩・独白5*05/1/29 22:45

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