春浅し
かち

似た墓ならぶ春を歩く

煙の匂いでも空の匂いでもない墓のにおいだ

いないことの目立つ季節や東風吹く

水が光の真似をする無邪気さよ

迷うこともできない遅春

熊蜂倫理とは自己犠牲のことか

人を恐れぬ春の風よ

春浅し在ることが陰になる季節


俳句 春浅し Copyright かち 2024-03-01 21:19:17
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