風香り木犀と知る曲り角
木犀の香る風折りポケットに
夕刊のあとに夕焼け赤とんぼ
空蟬に{ルビ未=いま}だ命の気配あり
木犀の香り初恋思ひ出す
ぴくりともせず蓑虫はお留守か ....
心の地図にのってない場所へ
出掛けてくると君は言う
──UA
手紙書くきれいな気持ち小鳥来る
秋風を連れ去るもまた秋の風
鳥渡り{ルビ ....
描き出すもの
愛も欲望も全部絡まっていて
──Grapevine
赤とんぼ夕陽と共に籠に入れ
虫の音やそのお姿は置いといて
名を知 ....
文机の瓶に一枝鳥渡る
辿りきぬ渓の流れや秋の声
色葉散る刻々に舞ひ其処此処に
頭で解って
心で解らなくなって
──Grapevine
見つめれば瞳の色淋し草の花
柿剥くや皿にオレンジ色の舟
はぐれたる羽音がひとつ曼珠沙華 ....
何回だって言うよ 世界は美しいよ
君がそれを諦めないからだよ
──羊文学
変はりゆくその柿の木も遊ぶ子も 🍅
移りゆく柿の木もまた遊ぶ子も 🍅
....
雨の夜の句種をさぐる無月かな
憧くがれし媼と四度目秋の席
台風の又も来るとふ静けき夜
漉き込みし田の彼岸花色褪せて
耳傾ぐ闇に虫の音をちこちの
正解は今僕が変えてみせるから
──羊文学
夏祭り夢見て帰るおんぶかな 🏇
油断して気付けば大人ソーダ水 🧋
裕次郎部下もいろんなサングラス 🕶️ ....
宵闇や満月待ちて幾たびも
七草の異常気象に咲きそびれ
凪ぐ庭や芒の穂先ますぐなり
観月を望むかたなし今日の雨
夢一つ消へて産まるる秋の月
ほろほろと
独り飲む酒
肩を抱く
青蜜柑の肥料喰ひたる草の丈
独り居の心揺さぶる秋隣
木戸までの短き径やちちろ鳴く
久々にうから集ふや秋彼岸
秋の夜や歓声はまずオードブル
干し物を濡らす糠雨秋の雷
(俳句八句)
風鈴もカタカタと鳴る風強し
ひとり寝の布団の朝に泣くな蝉
初盆の生々しさにわが身抱く
スイレンの花に牡蠣殻落とす罪
夕涼みし ....
もう駄目だ
レッドカードは
は手のひらに
秋口や肌に優しきシースルー
転げ落ちギャーのひと鳴き油蝉
秋浅しホースの水の熱き夕
魚干す陽射しの伸ぶる残暑かな
迎火を思ひ出手繰り焚きにけり
眼裏に青栗生りし土塀あり
....
元気だよ 琥珀のみほし 歌うたう
もういいよ たくさんもらい 生きてゆく
隠された きみへの想い かきいだく
想いでは あまくせつなく さわやかに
わかれ花 胸にいちりん 刺し ....
蝉しぐれ
サリサリと飲む
かき氷
雨を乞う父が安らかに過ごせるよう
夢のなか眠りのなかまで空梅雨
青嵐三十日も遅れて来
雲もなく夕暮れてなお蝉しぐれ
明ける朝にわかにとまどい大暑かな
アイスティーマディソ ....
遠くから夜明けの咆哮トケイソウ
溶けゆくはアイスクリーム木陰の椅子
氷菓子まだまだだめよ母の言い
引き続く夏の星なら三角形
空梅雨のゆくえもどこか淋しげで
さらさやと青葉 ....
暑き日よわたしは果てる汝も果てる
長雨の宵に流せる涙はなく
乾く日と湿る日とに思う{ルビ変化=へんげ}のこと
庭の木が短夜にさらさらと鳴れば
眠れずに午前四時過ぎ暑き日や
....
梅雨晴れ間 産声あげる 我が詩集
暑すぎて歩きながら夢見るて
釣り師から
坊主になって
しょげかえる
渓を夢みて酒をのむ
ひとりゆく
そらの青さに
溶けてゆく
酔い酔いて
独り旅ゆく
我が身かな
おれの暴力にぼうりょくというレッテルを貼るな
帽子越し 夏空見上げる 部活動
風薫る 胸が高鳴る 運動会
校庭で 笑顔の額 玉の汗
萌えさかる 若葉の熱に 翠雨かな
公園に 紫陽花ひとつ 雨宿り
止まぬ雨 紫陽花柄の 傘開 ....
水の粒 ついたボトルを 空に向け
軽井沢 蒼い香水 身に纏う
学校の プールに輝く 飛沫舞う
水流し 青梅煌る 金だらい
公園の 土薫り立つ 青 ....
宵闇に独りでそっと酒を飲む
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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