新たな時代の胎動(一)
おぼろん

戦いというものは、すべてが当事者の納得のうちに終わるわけではない。
アースランテの国では、軍国ラゴス、クールラント、ファシブル、
そしてアースランテによる四者会談が開かれた。
勝者である三国の意向を、アースランテは汲むしかなかった。

今回の戦いは、ファシブルの政変、そして、アースランテが、
デーモンである、グリンディアに助けを求めたことに、発端があった。
アースランテ国王であるハッジズ・ア・ラ・ガランデも、
己の野心を捨て去ったわけではなかったのである。

その思いには、アースランテの所領を回復してみせる、
という意志が渦巻いていた。ハッジズは、再度グリンディアの力を借りて、
時が来れば三国を相手に復讐を、ということを望んでいた。

「それで、わたしが魔の道を行くとしても、
 これはアースランテの国民の意に反することではないのだ」
……数年の時間をかけて、アースランテの国民は国力を回復しようとしていた。


自由詩 新たな時代の胎動(一) Copyright おぼろん 2022-05-16 15:01:20
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