愛が、みえたから。
秋葉竹



目を、
合わせなかったのは、
嫌いって言われるのが
怖かったからではない、

ただ、あなたの瞳をみるのが
恥ずかしく………


時は流れ、
想い出は、
その優しさに連れ去られるとも言う。


命を保つために
顔をそっと上げて
夜のしじまに
深呼吸をするのが、
歌をうたう
僕の大好きな彼女の
はじまりの生き方なのでしょうか?


神さま。


僕は、
どんな悲しみも
泥の中に棄ててしまいたくなるなら
泥に住まう泥の犬になっても
べつに、よいでしょう?


神さま。

僕は、
どんな風に素直になってみても
なにも知らないことばかりで。
どこまで
《ふつうに生きること》
って、
正しいことなのでしょうか?


神さま。

なぜ悲しみばかり
この世界にはみえるのでしょうか?
僕には
なぜ悲しみいがい
なにもみえないのでしょうか?


ねぇ?
違う、と、言って?


時は流れ、
想い出は、その優しさに連れ去られる
とでも、
言うつもり?

───それはその通りだったとしても。


ねっ?
違ってた。
でしょ?
愛が、
みえてた………んだった、でしょ?

愛が、
みえてたから、もう、大丈夫だと思えた
………んだった、でしょ?

だから、愛がいちばん大事に、なった
………んだった、でしょ?










自由詩 愛が、みえたから。 Copyright 秋葉竹 2022-04-07 20:11:54
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