なにがあっても、なにがなくても
秋葉竹




心がみえない
鏡の中にも
どこにもみえない
心がみえない
じぶんの心が
どこにもみえない
心を知りたいのか
心を知ってほしいのか
心を知ってほしくもないのか
かすかにでも
支えてほしいのはほんとう
それ以外は全部嘘でもいい


とても涼しい緑の風の匂いが、
少し開けた窓からさやさやと吹きこむから
さぁ、
一日の始まりに
世界や
あるいは知っているみんなの幸せを願って
そのついでの優しさで
ぼんやりと
昨夜の夢を想いだす

抱いたのか、抱かれたのか、夢の痛みか
鏡に向かい、心を開く練習、
顔を洗って顔をつくる練習、
泣き真似、笑い真似、怒り真似、
ちょっとウケる
ちゃんとこの家へ帰ってくること、約束する
なにがあっても、
なにがなくても。


心がみえないでしょう?
心を、
知ってほしい、
知ってほしくもない
つきつめると、
かすかにでも
支えてほしいのはほんとう
それ以外は全部嘘でもいい











自由詩 なにがあっても、なにがなくても Copyright 秋葉竹 2022-04-06 21:16:40
notebook Home 戻る  過去 未来