狐の嫁入り
秋葉竹




知っている、
このくぐもった街の
夜からは、闇の匂いがする



どこで自由になればいいのか、

ちょっと、知ったんだ、田舎の無人駅

だろ?



このくぐもった街では、
闇に、獣の唸りごえは、聴こえて、
その姿は、牙もみえない

だから、怖くて闇へ入りに行くことができない



風で、転がってる
空きカンは蹴飛ばさず、
追っかけてでも拾って、
ゴミ箱に
入れるよ、

あの人に教えてもらった



無人駅を降りて、
砂利道、あぜ道を歩いて、

洗われたのは、心


なにからも、僕は、逃げないが、
僕から、逃げようとするな、幸せ、

ふと、
青空にさえ浮かぶ、闇


簡単な生き方だけは、できない
それは、僕だけではなく、
みんな頑張ってんだから。

みんなみんな、頑張ってんだから。



むかし死んだあの人を、
想い、
青空、
みあげれば、
小雨。








自由詩 狐の嫁入り Copyright 秋葉竹 2021-11-04 20:29:48
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