たとえそれがきめられたさだめだとしても
秋葉竹






もう耐えられないほどの未来が見えるとき


でも、秋の夜空は透きとおっていて
アスファルト、コツコツと、わざと
音たてて、歩く


冷たい夜の香りを感じ
妖精たちまで躍り出しそう、さ。


なにも考えられなくなって
生きることに窒息感までおぼえて
そんな不幸だって、まぁ、じぶんのせい

でしか、ない訳だから、さ。

じぶんでじぶんを、立たせて
歩いてゆくしかない


煮えきらない悩みなら
けっして消えない悲しみ同様

無視してしまいたい

ま、それも、難しく


だからせめて秋の夜長


静かに酒を飲むべかりけれ


とか、のたまいながら

まだ、

そう、まだ、わたしには

明日がある、と。


諦めもしたし、あたたかい涙も流したし。


生きているかぎり、

せめて。と。

せめて、前を向いて生きさせてくれ。と。


ねぇ、もう、
耐えられない未来が見えるんだけど。

ねぇ、もう、神さま。

もっと、生きさせてください、と。

願っても。

いいですか………








自由詩 たとえそれがきめられたさだめだとしても Copyright 秋葉竹 2021-11-06 08:42:56
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