クレマチス
丘白月

雨上がりの夜
羽根を広げ
月の光をあつめて
命の継ぎ足しをする妖精

丸い雫がいくつも
次から次へと
クレマチスの葉に
泣いてるように流れていく

あした咲く花の色は
今夜の妖精の心
眠る花にキスをして
色を入れて飛んでいく

朝日が一本ずつ
クレマチスに差し込む
花びらがゆっくり開き
蒼く七宝焼きように光る

蕾に残る雫がこぼれ
スズメがくちばしを濡らした
花が笑って言った
救われた気がしたと


自由詩 クレマチス Copyright 丘白月 2020-04-20 21:49:26
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